InterDrone2017にて革新的商品が数多く発表されたが、中でも興味を引いたものの一つが、米国カリフォルニア州のFlightWave Aerospace Systems(以下:FlightWave)と、英国のIntelligent Energyとの提携事業である水素電力による「Jupiter-H2」だった。
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Jupiter-H2は、ほかの展示ドローンとは見た目から異なっていた。FlightWaveの固定翼ドローン「Edge」の空力設計のような、スマートで驚くようなものではない。展示されていたほかのマルチローター(マルチコプター)とも違う。Jupiterは、ある特別な目的を持って設計されたものなのだ。それは室内(場合によっては屋外)で産業用に耐久性のあるドローンを提供することだ。
Jupiter-H2を動かす水素燃料電池は、Intelligent Energyとの提携によって可能になった。FlightWaveの最高マーケティング責任者であるEdmund Cronin氏は、先日のInterDrone ConferenceでIntelligent Energyのチームと出会い、FlightWaveにとって打ってつけだと感じたという。
Cronin氏:Intelligent Energyのソリューションは本当にユニークです。私たちが今まさに求めているドローンを作るのに最適なパートナーになると思ったのです。安価で注文しやすく、安定性があり、非常に安全なドローンを作りたいのです。
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それは以前に増して身近なソリューションであり、顧客である企業にとっても非常に利用しやすいものとなる。
Jupiter-H2は2時間の飛行耐久性と上昇能力を組み合わせ、ペイロード(最大積載量)は3ポンド(1.36キログラム)までとなった。保護されたプロペラの羽根、機体の軽さ、70cmの輪郭、騒音のない静かな操縦は室内での応用利用にとって理想的だ。このドローンの機動性によって、自動車のフォークリフトに隣接する狭い倉庫の廊下も飛行可能となる。
Cronin氏:Jupiter-H2は変革をもたらす機体だと思っています。例えば巨大ながらも窮屈な倉庫など、狭い室内でも屋内でも、長時間飛行と安定した機動性のどちらも必要な作業において、特に適しているでしょう。
それは今まで目にしたことのない素晴らしいアイディアだ。Jupiter-H2の混合機体によって強度が高まり、構造上の重量が軽減したとFlightWave社はいう。この設計のおかげで、多様なセンサーやカメラの同時利用が可能になり、サブシステムによって、燃料電池から直接電力を与えられる。ドローンの総重量を減らした要素である、バッテリー寿命がないことも大きな強みだ。
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この世界的なマウントシステムは、顧客の求めるほぼどんなセンサーをも搭載でき、燃料補給も迅速に行える。Jupiter-H2は道で見慣れたドローンではないかもしれないが、今後この業界でも見慣れたソリューションとなるだろう。