Mercedes-Benz VansとドローンスタートアップMatternetが「Vision Van」と名付けられた、短い距離での荷物の配送を劇的に変えうるコンセプトカーを発表した。Vision VanのルーフはMatternetの新型ドローン「Matternet M2」の離着陸パッドとなっている。
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Matternet M2は自律飛行が行え、一度の充電で約2kgの積載量でも最長約20km飛行可能なほか、自動で荷物や電池の交換が行えるようにデザインされている。Mercedes-Benz Vansに搭載されているクラウドシステムと連携することで、ソフトウェア制御された車内のロボットシステムにより、荷物を自動でドローンに積むことが可能となる。
Matternetは、いかなる荷物でも保護できるケースもデザインしている。また配達の際、ドローンが荷物の中身や目的地についての情報を自動で受信する。Matternet M2ドローンやVision Vanを使用するロジスティクス会社にとって、このようなデータが配達の証明書となり、配達の瞬間にユーザーへの通知が可能となる。MatternetのCEO Andreas Raptopoulos氏は次のようにコメントしている。
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Raptopoulos氏:こうした話は全てサイエンスフィクションのように聞こえるが、法が許しさせすればこのドローン技術はいつでも稼働することができる。
Vision Vanを使用することで渋滞や、安全な道がない災害地、地方であっても、荷物をMatternet M2ドローンに載せ届けることが可能となる。また、ドローンが出荷センターや倉庫から車へと荷物を運び、そこからドライバーが直接受取人の玄関まで運ぶことも可能だ。
Mercedes-Benzはラグジュアリーカーやスポーツカーで知られているが、Mercedes-Benz Vansは同社の公式発表によると、2015年に321,000台の車を販売しており、中でも旅行やロジスティクス向けのSprinter、Marco Polo、Vito(アメリカではMetrisと呼ばれている)、そしてCitanなどといった車種が人気だ。
プレスリリースによると、Mercedes-BenzはMatternetに投資をしているが、金額は明らかになっていない。SECの情報では、Matternetはこれまでに目標額1150万ドルのうち950万ドル(約10億円)の調達に成功しているという。なおMatternet CEOのAndreas Raptopoulos氏は投資額についてのコメントは控えている。同社は今年始めに、マラウイ共和国でのHIVテストのため、UNICEF向けに血液サンプルを運ぶ自律飛行システムを開発している。同活動により、2014年にはHIV関連の病気で1万人の子供が亡くなっている同国に向けた支援の加速が可能となる。