ドローンについて考えるとき、得てして単独のデバイスとして考えがちだ。しかし、ドローンはそれ以上のポテンシャルを秘めている。3D RoboticsのCEO Chris Anderson氏は、ドローンには我々の目となり耳となってインターネットを物理世界へと拡張する能力があると言う。同氏は昨年に続いて2回目となるInterDrone基調講演で次のように語った。
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Anderson氏:我々はドローンよりもずっと大きいことをやろうとしている。テクノロジーを使って世界を変える一世一代の流れの中にいる。
今日において、ドローンの価値と能力を最大限に引き出すためには、ドローンをクラウドに繋げ、スマートフォンやクラウドと通信し、逆にクラウド側からもドローンに通信し、更にはそのクラウドが他のクラウドとも通信を行えるアーキテクチャを整備する必要がある。
Anderson氏:ネイティブなクラウドアーキテクチャ周りのために設計されたドローン。それがドローンの行き着く先だ。
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これにより、リアルタイムなデータ・アナリティクスを得られる。現在のナビゲーションやミッションプランニングは、データにリアルタイムでアクセスすることが不可能だ。ドローンが画像やデータを集めに行く際に、そのミッションが終わるまでオペレーターやそれに関わるビジネスではその結果やインサイトにアクセスが不可能であるとAnderson氏は説明した。つまり、ドローンが狙い通りに動いていない場合や、予定していたもの以上の情報が必要になった際に、新たなミッションを設計する必要があるという問題が生じる。
そこでミッションにクラウドを参入させることで、その結果を劇的に変えられる、とAnderson氏は考える。リアルタイムストリーミングアナリティクスを行うことで、途中でミッションの内容を変えたり、フィードバックをリアルタイムに得られる。
このためには、現状の「Sense and Avoid」の代わりに「Fence and Avoid」の能力が必要となる。Anderson氏によると「Sense and Avoid」ではドローンは新たなエリアに無知な状態で進入し、各オブジェクトに接近するたびに避ける動きをとる。一方でクラウドベースの「Fence and Avoid」を使用し、その環境における全ての情報を予め得ておくことで、その後の変化だけに集中できる。
「Fence and Avoid」ソリューションを実現するためには、交通のパターン、照明、法的規制、ローカルな規制、FAAのルール、プライバシー等といったあらゆる情報を集めたn次元のマップを作る必要がある。Anderson氏によると、これは自律走行自動車に向けて自動車業界が行っていることで、自動産業と協力することで地上及び空のマップを作ることが可能だという。
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Anderson氏:ドローンはすでに解決済みの問題だ。未解決なのは、それをオモチャからツールに変え、より便利にしていくという問題だ。