IBMは、ドローン産業に大きな機会を見出しており、そこに参加したいと思っているようだ。同社および同社が開発するソフトウェアは必ずしもドローンをターゲットにしたものではないが、IBMはディベロッパー達がドローンアプリケーションを開発する過程で、同社のツールが使えると考えている。
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IBMのDeveloper AdvocateであるAndrew Trice氏によれば、効率の改善や自律タスクのためにドローンがビジネスに使われるのは、我々が思っている以上にすぐそこまで来ているそうだ。保険の請求、検査、ドキュメント化から、農業、建築、緊急事態時など、ユースケースは多様だ。
Trice氏は次のようにコメントしている。
Trice氏:ドローンは既に人々の手元まで届いており、それを実際に使いはじめると、写真撮影以上のことをやりたいと思い始めるのは自然な流れだ。そして開発者にとっても、実際にこうしたものを作り始め、そのハードウェアやソフトウェアに触れてみると、このハードウェアとソフトウェアの交差がいかに面白いかに気づく。
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IBMのサービスやソリューションが実際にどうドローンに使用できるかを示すために、Trice氏はSkylinkというサンプルアプリケーションを開発している。SkylinkはDJIのPhantomクアッドコプターとiPadを使って、ドローン、クラウド、そしてコグニティブ・コンピューティングがいかにして連動できるかを実証している。Skylinkの開発にあたってTrice氏は静止画の撮影やテレメトリーデータを得ることのできるDJIのSDK(ソフトウェア開発キット)を使い、IBM Cloudを使ってそのデータを3Gや4G回線上でドローンの飛行中に転送している。データがクラウドへ送られた後に、Trice氏はIBMのWatsonやAlchemyといったサービスを利用している。
更に、Trice氏のアプリケーションは、IBMがDatabase as a Serviceとして提供するCloudantを利用し、iPadが回線につながり次第iPad内にローカルに保存されたデータを自動でクラウドに送っている。Cloudantは同時に同社のイベントベースのプログラミングサービスOpenWhiskと連携しWatsonやAlchemyを使って画像認識サービス等を提供する。
IBMはDJIのSDKを選んでいるが、ディベロッパー達は自分の好きなSDKを選べぶことができるという。
Trice氏:我々はどのドローンメーカーとも組んでいない。DJIを選んだ理由はそのアプローチのしやすさだ。彼らのSDKはとても分かりやすく、機体を飛ばすまでが簡単だ。
またディベロッパー達は、ドローンの開発に使うことができるのがIBMのサービスだけではない、ということも知っておくべきだ。スマホアプリの開発で使うようなサービスを利用することだってできる。
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Trice氏:理論上、こうしたアーキテクチャはどのサーバーやデータベースでも利用できる。ただ、IBM Cloudはデータのシリアル化、リアルタイムトリガー、分析や統合を簡単にしてくれる。