新しい職種
今年から本格的にドローンパイロットの国家資格が始まりました。正確には無人航空機操縦士の国家資格です。それに伴い、日本全国で新しく国家資格無人航空機操縦士の講習機関、つまりはドローンスクールが開校しているようです。そこで、ドローンスクールの講師になろうと思う方も増えていると思いますので、airWorkドローンアカデミー(旧アマナドローンスクール)の講師を2016年から務めてきて感じたこと、講師に必要な素質とは何かを考えていきたいと思います。
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ここで大きく必要なものを3つ挙げるとしたら、
- 操縦技術
- 知識
- 伝え方
でしょうか。ちなみに、優先順位は下から順だと思っています。ひとつずつ解説していきます。
操縦技術
ある程度必要だと思いますが、全てが完璧でなくても良いと思っているのが操縦技術です。
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当然ですが、お手本を見せなければいけないですし、そもそも教える側が必要な技術を身に付けていなければ説得力がないですよね。ただ、技術にこだわるあまり、講師の自慢披露になってしまっているパターンもあります。また、あまりにかけ離れている操縦技術を見せびらかされても参考になりませんし、嫌味になってしまいます。
そして、私が講習をしている時はあまりお手本を見せていないことに最近気が付きました。講師を始めたばかりの頃はよくデモ飛行をしていたのですが、それより受講生が飛ばす時間をなるべく多く確保する方が重要だからです。
知識
必要な知識は多岐にわたります。まず法律です。ドローンを飛ばすにあたって必要な法律はたくさんありますし、その法律の中でも航空法は年に数回改正されることもあるため、常に最新の情報が必要になります。航空法で規制されている特定飛行で飛ばす必要がある場合、どういった手順で申請が必要なのかなど、実際の手法も説明する場面が多いです。それも、申請のテクニックなど聞いてよかったと受講生に思ってもらえるような返答ができると、講習自体の満足度が上がると思います。さらに適当なことは言えないので正確な情報が必要です。
次に各機種の情報です。講習中にちょっとしたトラブルで飛ばなくなった、機体が不安定になったなど、機体の設定や対応を迫られる場合もあります。ファームウェアアップデートなど日々のメンテナンスも必要です。機材が使いこなせていないと講習そのものが円滑に行えないこともあります。また受講生から最初にどんなドローンを買えばいいのか、目的のためならどんなドローンが良いのかなどの質問を受ける場合もあります。ドローンなどの機材の動向など情報収集は欠かせないです。
他にも、撮影時に注意することやちょっとしたエピソード、体験談など、講師自らの体験でもかまいませんが、受講生から引き出せる経験談なども非常に重要です。元々色々な業界から受講しにきていただけるので面白い話を聞ける場合もあります。刑務所の受刑者を率先して受け入れている話はとても参考になりました。テレビ番組のドキュメンタリーに充分な内容ですが、ドローンとは関係ないのでここでは触れませんが。
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伝え方
これはドローンに限った話ではありませんが、人に教える際の伝え方は本当に難しいです。いまだに試行錯誤をしています。緊張感を煽りすぎて泣かせてしまったり、緊張感なさすぎて集中力に欠いたり、バランスが難しいです。論理的に事細かに指摘すれば上達する訳でもありません。感覚的な場合もありますし、あえて伝えず、受講生に体験を通して感じ取ってもらうこともありました。
現在、私の他にも講師がいますが、全員に共通することがいくつかあります。簡単に挙げると
- 声が大きい
- 話好き
- 人懐っこい
この3つです。そもそも人に教える際に声が小さく、ボソボソと話していたら伝わらないですよね。数人講師が集まると議論が尽きないです。宴席などはうるさいです。付近の席の方申し訳ないです。
それと、全員とても気が利きます。受動的な人はおらず、能動的にこなします。そうでないと新しい分野のものを教えられないと思います。
この伝え方は色々なものが参考になります。
以前、箱根でガラス工芸の体験をしたのですが、とても感心しました。1組30分ぐらいで捌かないといけないので、まず段取りが肝心です。事前に色や形などデザインを決めておき、どこに座ってもらって、どちらの手で何を持つかしっかり指示をします。溶けたガラスなので火傷の危険性も有ります。体験に来る人は器用な人もいればそうでない人もいます。デモ、時間内でちゃんと完成させないといけません。それらを見事にこなしていました。もちろんそこの味気なさを感じる人もいると思いますが、伝えて達成するということに関してとても参考になりました。
ドローンスクールの選び方
ドローンスクールをこれから選んで受講する方、仕事として選択する方、いろいろいらっしゃるとは思います。もちろん値段も重要ですが、日数の長い短い、講師の経験値、それらを踏まえて選んでいただければと思います。
あと、これから使用機材等も参考にした方が良いと思います。最近少し気になっているのが、使用機材によっても合格率が変わるような気がするのです。もう少し確証を得られればそのうち記事にしたいと思います。