FPVビギナーの空撮パイロットである筆者が、体当たりでFPVに挑戦していくレビューシリーズ。今回は、実際に機体を屋外に持ち出して取り急ぎ「目視飛行」にて機体性能をチェックしたいと思います。Mモードはまだまだ修行が足りないので、NモードとSモードでフライトしてきました。
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目視でのフライト方法
ゴーグルのUSB Type-Cを使って飛行用アプリ「DJI Fly」のインストールされたiPadに接続するとFPV映像が投影されます(上空の機体の向きの確認などに利用)。ただ、飛行高度やバッテリー残量等のパラメーター情報は投影されないので、アシスタントがゴーグルを覗いて随時バッテリー残量や飛行高度などの状態を読み上げてもらいながらフライトをしています。
DJI機体ならではのホバリング飛行安定性とSモードの異次元の速度感
DJI FPVは、センサー類を活用した安定した飛行ができるというところが大きな特徴。高度を測るセンサーやGNSS(GPS等)などを活用して安定したホバリングや飛行を実現します。さて、その実力やいかに…
まず電源を入れると「ブォーンッ」とかっこいい音がします。ここからテンションが上がるのですが、離陸すると…まるでMavicのように安定したホバリングで静止しているではありませんか。特にNモードはスピード的にはMavicと変わらない印象です。ただ、横の傾きに対するジンバルはありませんので、旋回等によって画面そのものも傾きます。
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Sモードは、フルスロットルするとまさにレースドローン特有の甲高いプロペラ音で"ぶっ飛んで"行きます!コレは空撮機をゆっくり飛ばすことになれている筆者には少し慣れが必要そうです。
緊急ブレーキ&ホバリングボタンで危険回避
次にチェックしたかったのはDJI FPVの独自安全機能「緊急ブレーキ&ホバリング」ボタン。M/S/Nのいかなるモードでも「緊急ブレーキ&ホバリング」を押せば機体は緊急停止&ホバリングするというもの。操縦ミスなどで障害物等に急接近してしまった場合にとても役立ちそうな危機回避機能です。
Nモード/Sモードで全速力前進しながら緊急ブレーキ&ホバリングボタンを押してみましたが、本当にピタッとその場所に止まってホバリング待機する感じでした。N/Sモードではスティックを中央に戻せばブレーキが掛かりますし、当て舵(進行方向とは反対方向のスティック入力)によって動きを止めることはできますが、それらとはまったく別次元の制動です。これは万が一のときに心強い機能に間違いありません。
モーションコントローラーで簡易操縦もできる!
操縦桿型の「モーションコントローラー」を使えば簡易操縦もできます。通常のプロポに慣れていない方でも直感的に操縦できるので、人によってはよいかもしれません。プロポに慣れている方はプロポでいいのかもしれないのですが、個人的には三次元を動く機体をスティック2本で操縦するよりもモーションコントローラーのような操縦方法のほうが合理的な気がします。もしかしたら、近い将来はモーションコントローラーのような操縦方法が主流になるのかもしれません。
システムファイブさんがわかりやすいモーションコントローラーの使い方をアップしていたのでご紹介します。
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撮影映像チェック!飛ばし方によってはプロペラの映り込みも
機体の動きや安全機能をチェックできましたので、少しですがフライト撮影してみました。目視内の飛行なので、見える範囲&障害物が少ない高度で飛ばしてみた程度ですが参考になれば幸いです。Mavic 2 Proとの画角の違いも入れています。
Sモード、4K60p、RockSteady映像ブレ補正ON
やはりFPV機ならではのロールした浮遊感のある映像です。画角も広いので奥の棚田を映すシーンでは、夕日と棚田を両方画角に入れることができました(Mavic 2 Proでは同じ機体位置から両方入れるのは難しかった)。
気になるのはプロペラの映り込みですね。機体のスピードが遅いと映り込むことが多くありました。逆に、スピードが速い(機体が前傾姿勢でカメラが少し上を向く)と映り込むことがなかったので、この機体はやはりゆっくり飛ばして撮影するものではないのですね。
また、バッテリーはSモードだと6~8分くらいしかもちませんでした(飛ばし方によると思われますが)。カタログ値の20分を期待していただけに少し残念。Nモードだと15分くらいは飛べる感じです。
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醍醐味は本当に飛んでいるかのような映像!まだまだ修行が足りぬ…
DJI FPVの映像の魅力は本当に飛んでいるかのようなロールした画角や急降下の迫力ある映像などが撮れること。ただ、さすがに目視飛行&FPVビギナーの筆者では難しいところですので「DJI Virtual Flight」シミュレーターを使って修行を続けたいと思います。
また、ジンバルは使い方によってはアクロバチックな飛行をしなくてもアクロバチックな飛行をしたかのような撮れる可能性を感じました。今までのFPVドローンにはなかったジンバルの機能はFPVビギナーの表現の幅を広げるツールになるかもしれませんね。
次回は、目視外飛行するにあたっての国土交通省への飛行許可承認申請や目視外飛行時の法的な注意事項について触れていきたいと思います。