txt:藤川理絵
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JapanDrone展への単独出展は、今回が初めて。ドップラー・ライダー2台とパネル2枚というすっきりした設えのなか、回転機構がくるくる回り続ける様子はひときわ目を引いた。
今回の出展では「風況予測の重要性の啓蒙」を狙ったというが、3日間を通じてブースで話しこむ来場者は後を絶たなかった。
赤外線レーザーを空気中に照射し、空気中を漂うエアロゾルと呼ばれる微粒子からの散乱光を受光して、そこから風の移動速度や向きをリアルタイムに計測する装置だ。
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従来のドップラー・ライダーと比べ、高性能を維持したまま小型化を図った。本体は約65cm四方で可搬性も高い。高所に設置することで上空の風況データを取得できる。
ただし例えば上空2000mになると空気が澄んできて計測が難しくなるなど、観測距離は大気条件によるという。
ドローンやエアモビリティの安全運航に、上空の風況データは欠かせない。例えば、離陸地点から遠く離れた着陸地点の風況がどうなっているか。離陸から数十分後の着陸時の風況がどうなる予測なのか。
この小型ドップラー・ライダーを、一定間隔で設置しネットワークを組むことで、さまざまな風況データを「空のインフラ」として提供することを目指す。
現在、国内では大阪・関西万博会場から至近のアジア・太平洋トレードセンタービルの屋上や、協業先であるNTTの保有施設などに、小型ドップラー・ライダーを設置し、実証を開始したところだという。
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また国外では、NASAドローンテストフィールドに、今春より小型ドップラー・ライダーを2台配置した。一定エリアでドローンを飛行させ、機体への風の影響を調査する実証において、風況データを取得する予定だという。