会場では、UGVの実機展示や実際に活躍する様子を紹介するとともに、人手不足の現場を支える新しいロボット運用の可能性を紹介する。

人口減少・高齢化により、除雪、土木、農業、警備、製造などの現場では、人手不足と危険・重労働への対応が課題となっている。同社が北海道で開発を進める小型・電動の汎用陸上ドローン(UGV)は、共通シャーシに作業機やセンサーを組み合わせることで、「押す・引く・載せる・見回る」など、さまざまな作業に対応する汎用作業ロボットだ。
「除雪ドローン」は、氷点下、降雪、積雪、スリップ路という過酷な環境で実用化を進めてきた代表的なアプリケーションの一つだ。
デモ:フリートマネジメント「ebSwarm」
今回実演する「ebSwarm」は、複数のUGVを一つの画面で監視・指令するフリートマネジメントシステムだ。2027年1月発売予定の自動走行モデルで使用するAndroidアプリ「ebConnect」による単機運用を、複数機運用へ拡張するものだ。
1人のオペレーターが複数のUGVを監視・指令し、機体を大型化するのではなく、小型UGVによる「”機”海戦術」で、より広いエリアをカバーすることを目指すという。
小型UGVの機動性や狭所への対応力を維持しながら、複数機の運用によって作業規模を拡大する。
2026~2027年の冬シーズンから、除雪現場などの実環境でテストを開始する予定だという。
電動ブレード装備[新装備発表]
電動アクチュエータによってブレードを上下できる新装備を発表する。

従来の陸上ドローンUGV、「除雪ドローン」のブレードに電動による上下動作を加えることで、除雪だけでなく、排土、地ならし、堆積物の移動など、「押す」ことを基本とする作業の効率を向上させる。電動ブレード装備モデルは、遠隔操縦式と自動走行式の双方に展開する。
さらに将来的には、走行制御とブレード制御を連携させ、作業状況に応じたブレード操作やスタック回避など、「移動の自動化」から「作業の自動化」への進化を目指すとしている。
なお、今回のJapan Mobility Showでは、電動ブレード装備モデルの実機展示は行わない。
Swarm AI・Physical AIによる完全無人化へ[将来構想]
複数のUGVを1人で監督するようになると、人がすべての機体を常時操作し、スタックやスリップ、障害物などに逐一対応することは困難になる。
そこで必要となるのが、UGV自身が周囲の物理環境を認識し、状況を判断して行動する技術だ。
同社は、以下のロードマップに沿って開発を進める。
- ebConnect(単機運用):人がUGV 1台の自動走行を監視・指令
- ebSwarm(フリートマネジメント):人がUGV 2~10台を同時に監視・指令
- Swarm AI(将来):AIが仕事を認識・計画・分担・実行・再計画し、11台~数百台規模の自律分散運用へ
- Physical AI(将来):現実世界の物理環境を認識し、車輪や作業機を制御して自律的に作業
雪、氷、泥、砂塵、高温・低温、不整地などの過酷な環境では、センサーへの付着物、強い日射や反射、車体の振動、路面のスリップなど、実環境特有の課題がある。こうした環境を正確に認識し、車体と作業機を適切に制御することが、Physical AIを実現するための重要な技術課題だという。
人の指示に従って「仕事をする機械」から、周囲の状況を認識し、必要なことを自ら判断して「働くロボット」を目指し、同社は、汎用陸上ドローンを、人口減少社会における新たな労働力として社会実装していく方針だ。