航空宇宙テクノロジー企業のOrkid(オーキッド)は、戦術用途に特化した無人航空システム(UAS)分野において、米国市場への本格進出を発表した。主力製品は、SATCOM(衛星通信)対応の固定翼型VTOL(垂直離着陸)ドローンであり、防衛、点検、通信が制限された地域での長距離作戦に特化している。
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Orkidの新型プラットフォームは、目視外飛行(BVLOS)ミッションのために設計されており、グローバルな通信能力と高いミッション柔軟性を併せ持つ。すべての機体はNDAA(国防権限法)に完全準拠しており、米国の政府機関、公益事業者、戦術部隊の厳格な運用要件に対応可能である。
Orkid戦略顧問のアンドレス・エスコバル氏は次のように断言する。
これは単なるドローンではない。過酷な現場で信頼性が証明された実戦型空中プラットフォームだ。SATCOM対応の設計とNDAA準拠の供給体制により、国家安全保障から遠隔インフラ点検まで、重要ミッションに不可欠な安全かつ長距離対応の能力を提供する。
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米国市場への本格展開
Orkidは現在、米国内での流通および組立拠点の構築を進めており、今後の需要拡大に対応するために以下のパートナーを募集している:
- 認定販売業者および統合業者
- 防衛・公益・公共安全分野の提携先
- 搭載機器・ミッションシステムの共同開発者
また、Orkidは2025年9月2日〜4日にラスベガスで開催される「Commercial UAV Expo」(ブース番号301)に出展する。会場では、同社のフラッグシップVTOLドローンの実機展示と、経営陣およびエンジニアチームとの交流が行われる。

技術的な主な特長
- SATCOM対応の指令・制御システム:無線・携帯網を超えた高帯域・長距離通信が可能
- NDAA準拠のアーキテクチャ:米国政府調達およびサイバーセキュリティ基準に完全対応
- 固定翼型VTOL構造:滑走路不要で10分以内に展開可能
- 完全暗号化システム:機密・国家レベルのミッションにも対応するエンドツーエンドのセキュリティ
- モジュラー型ペイロードベイ:ISR(情報・監視・偵察)、LiDAR、EO/IR(光学/赤外線)、産業用センサーなど2.5kg以下の多様な機器を搭載可能