デンマークとNATO支援調達機関(NSPA)は、米・ゼネラル・アトミクス・エアロノーティカル・システムズ社(GA-ASI)からMQ-9B「スカイガーディアン」無人偵察機(RPA)を4機購入すると正式発表した。契約には地上管制ステーション3基も含まれる。
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MQ-9Bは、長距離航続性とマルチドメイン対応能力を備え、北極圏の過酷な環境でも作戦可能な衛星管制・着氷防止機能を搭載している。これにより、デンマークとNATO同盟国に対する北極圏での防衛・監視任務への対応が可能となる。
さらに、同機にはGA-ASIが独自開発した「探知・回避システム」が内蔵されており、国内の民間空域での安全な飛行を可能にする。これにより、MQ-9Bはデンマーク国内の民間・軍事両用途で柔軟な運用が期待される。
MQ-9Bは最近、英国軍用航空局(MAA)から大型無人航空機として初の「軍用型式認証(MTC)」を取得した。これにより、人口密集地を含む地理的制限なしで安全に運用できることが証明された。
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GA-ASI社長のデビッド・R・アレクサンダー氏は、次のように述べた。
MQ-9Bにとって非常に成果の多い年となった。英国でのMTC取得に続き、デンマークも導入国に加わったことで、欧州では英国、ベルギー、ポーランドに続く採用国となった。北海、ノルウェー海、バルト海など広大な海域を有する北欧諸国にとって、MQ-9Bは極めて有効な海上監視・安全保障ツールとなる。
MQ-9Bは、艦隊作戦支援のために海面・水中の両方を捜索可能なマルチドメインの情報収集・監視・偵察・標的捕捉(ISR&T)能力を搭載した唯一の無人機である。また、360度対応の海上監視レーダーやソノブイ投下ポッドなど、多様な装備を搭載可能である。
今回の取引にはNSPAの支援が大きく関与しており、同機関は欧州諸国間の連携強化とMQ-9Bの導入促進を目的に、契約支援の枠組みを構築してきた。NSPAはMQ-9Bを防衛機器の契約ポートフォリオに追加し、欧州諸国による共同訓練・運用の実現を図っている。
NSPAのステイシー・A・カミングス総局長は、次のように述べた。
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この調達は、先進的で相互運用性の高い能力を多国間で効率的・効果的に取得できるNSPAの存在意義を示すものである。デンマークの国家的な海洋監視・安全保障という戦略的投資を支援できることを誇りに思う。