BAEシステムズは、米国で実施した試験において、マルチローター型無人航空システム(UAS)から精密誘導弾薬を初めて発射し、空中および地上目標の破壊に成功した。これは、前線部隊向けに低コストで多機能な打撃・対UASオプションの開発における重要な前進である。
- Advertisement -
今回の試験では、BAEシステムズのAPKWS®レーザー誘導キットを搭載した弾薬を、Malloy T-150を改良したTRV-150から発射した。これは、UASからの世界初のAPKWSによる空対空交戦であり、F-16、F-18、アパッチヘリなどの戦闘機で長年使用されてきた同技術の新たな応用である。
試験により、プラットフォームの多用途性が証明され、ドローン技術の進化が、従来型目標と新たな無人機脅威の双方に対応可能な効果的かつ経済的な戦術的選択肢を軍に提供できることが明確となった。
試験はユタ州の米陸軍ダグウェイ試験場で行われ、使用されたTRV-150は、米海兵隊の物流要件に合わせて改良された「SURVICE TRV-150」である。英国のBAEシステムズ技術陣がAPKWS誘導キットの統合を担当し、同キットは無誘導ロケットを精密誘導弾薬に変換するものである。TRV-150への統合は全項目で期待を上回り、発射弾薬はすべて命中、失敗ゼロを記録した。
- Advertisement -
TRV-150は当初、前線での物資輸送用として設計されたが、打撃能力を持たせた派生型への拡張は、既存のUASを攻撃・防御を兼ね備えた多用途戦力へ転用する自然な進化といえる。
SURVICEエンジニアリングのグレッグ・トンプソン社長は、次のように述べ、新たな能力を米軍および同盟国の戦闘部隊に提供できる意義を強調した。
中型UASによる空地両用打撃能力は、戦力を倍加させるゲームチェンジャーとなる
試験により、前線展開が容易で、地上発射手段を超える射程を持つ独自の遠隔攻撃手段としての可能性が確認された。この取り組みは、BAE Systems FalconWorks、BAE Systems, Inc.、SURVICE Engineeringの英米連携により実現されたものである。
今回の成功を基に、チームはさらなる自律技術の統合を含む改良を進め、実戦配備に向けたシステムの完成を目指すとしている。