PARASAFEとArduPilot搭載フライトコントローラーとの連携について
連携の概要
「PARASAFE」は、ドローンの緊急時に安全に着地させるためのパラシュートシステムであり、高度な安全性と信頼性を提供する。今回の連携により、多くの産業用ドローンで広く採用されているPixhawkシリーズやCubePilotとの互換性を確保し、シームレスな統合が可能となった。
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この対応により、より多くのドローンオペレーターや企業が「PARASAFE」を導入しやすくなり、産業用途でのドローン運用における安全性向上に貢献できると考えている。
連携の特徴
- シームレスな統合と簡単なセットアップ
- ArduPilot環境で用意されたParachuteコマンドを利用することで機体の運用シーンに応じたPARASAFEの作動を設定できる
- ArduPilotでサポートされたフライトコントローラ(Pixhawk、CubePilotなど)や地上管制局(Mission Planner、QGroundControl)でPARASAFEが使用できる
- 自動・手動の両方の展開に対応
- オートトリガー:フライトコントローラーが姿勢角や降下速度で異常判定を行うと、全てのプロペラを停止し、パラシュートにPWM信号が出力される。PARASAFEはこのPWM信号を受け取り、瞬時にパラシュートを射出、開傘する。
- マニュアルトリガー:送信機のスイッチや地上管制局にパラシュートの起動コマンドを割り当てられる。緊急時に操縦者もしくは管制官がスイッチを押すと、フライトコントローラが全てのプロペラを停止し、パラシュートにPWM信号が出力される。PARASAFEはこのPWM信号を受け取り、瞬時にパラシュートを射出、開傘する。
作動方法
ドローンの送信機に割り振られたスイッチを操作することで、PixhawkシリーズやCubePilotを含むArduPilot対応のフライトコントローラーからパラシュート装置へPWM信号を送信する。この信号を受信したパラシュート装置が作動し、安全に展開される。
ArduPilot Developers Conference 2024でのデモンストレーション
2024年10月25日~27日に石川県加賀市で開催された国際開発者会議「ArduPilot Developers Conference 2024」において、実機によるデモンストレーションを行った。
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デモンストレーションでは、CubePilotを搭載したAero Systems West社のILM Quadcopterに PARASAFEを搭載し、マニュアルトリガーでパラシュート作動を行った。パラシュート着地後の機体には破損もなかった。
同イベントには世界中のドローン開発者やエンジニアが参加し、PARASAFEとArduPilot搭載フライトコントローラーとの連携について多くの関心を集めたという。
ドローン用安全装置「PARASAFE」
産業用ドローン向け緊急パラシュートシステム「PARASAFE」とは、ドローンの落下時等に、火工品を作動させることにより瞬時にパラシュートを展開し、安全にドローンを降下させる装置だ。
日本化薬では、エアバッグ用インフレータやシートベルト用ガス発生装置等の自動車用安全部品の開発・製造・販売をグローバルで展開しており、そこで培った火工品技術を応用して「PARASAFE」を開発した。

現在、最大離陸総重量25kgまでの産業用ドローンに対応した「PS CA12-01」を発売している。