これにより太陽光発電所全体でのモジュールの熱異常発生状況をシームレスに把握できるようになるとともに、現地での地上検査支援機能の付加、及びその報告書作成作業時間の大幅な効率化が実現され、地上検査立ち入りから最小のタイムラグで得られる結果により精度の高いO&Mに活用できるという。
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新機能の概要
今回のアップデートでは、スマート保安を実現するため従来の「ドローンアイ」サービスに以下の新機能を追加した。
オルソマップ作成とAI解析
エアロセンス株式会社と共同開発し、赤外線動画から解像度を落とすことなく発電所全体のオルソマップ(正射投影による図化)を作成し、AIによる自動解析を実施することで高精度の検査結果を実現。
タブレット端末での検査結果確認と現地ナビゲーション
解析結果をGoogleマップ上にオーバーレイし、タブレット端末上に表示。ナビゲーションアプリのように自身のGPS位置情報を参照しながら現地で追加の確認検査もしくは作業が可能。
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追加確認作業の反映と自動報告書作成
現地で実施した確認作業の結果はクラウド上にアップロードされ、最終報告書を自動作成。
背景と目的
従来のドローンによる赤外線検査では、多くのサービスが高温箇所の抽出は可能であっても、解析による異常箇所の特定に至らないシステムも多く、また検査結果をまとめた報告書作成作業が手作業で行われ、検査開始から報告書の提出までの時間が長期化していた。
また納品形式がPDF形式だったため、現地での確認・修繕作業時に参照しにくいという課題があった。
太陽光発電所は広大で、モジュール数が数千~数十万枚に及ぶため、目的のパネルを特定するだけでも手間がかかっており、くわえて追加の地上作業を保存するためには、紙の報告書にメモを取るか、別途フォーマットを作成して記載し、作業後に写真などとともに手作業で報告書を作成する必要があった。
本新機能の目的は、こうした課題を解決し、検査開始から検査結果報告書の完成までを従来より大幅に短縮することで、発電損失を最大限軽減し、また、現地作業の負担を大幅に軽減することに成功した。
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特に、オルソマップとGPS機能を活用し、タブレットの位置情報を見える化することで、異常個所への移動を容易に、かつ技術者が迅速に修繕作業を進められるよう作業支援する。
また、現場での追加調査結果をタブレット上で即座に記録し、クラウドに保存することで、作業後の手作業によるデータ整理を不要にする。
さらに、最終報告書を自動作成することで、調査から修繕までの一連の流れをスムーズにし、作業時間の短縮とヒューマンエラーの削減を実現。これらにより、スマート保安を推進するとしている。