ANAら、沖縄でWingcopter198を活用した長距離ドローン配送実証実験を実施へ。飛行距離は53kmにおよぶ

本実証は、沖縄県が実施している「令和6年度テストベッド実証支援事業」の採択事業によるものだ。

本実証では、これまで地理的特性から配送に人手や時間を要していた沖縄県北部地域への血液製剤配送をドローンを活用することで、配送員の負担を軽減させる効果や経済性を検証する。

これまで配送できる時間枠が限られていたが、ドローンによる配送で、必要な時に必要な分だけ運ぶことができ、緊急ニーズも含めた血液製剤の効率的な供給や災害時への対応も可能となる。

また、輸血医学に精通されている東京都立墨東病院の藤田浩氏や沖縄県立北部病院、沖縄県赤十字血液センターによる協力を受けることで、より現場での運用を見据えた実践的な手法・機材を用いた配送フローを作成し、運用面での実現性を検証する。

さらに、耐荷重性や速度性の高いWingcopter198を用い、株式会社スギヤマゲンが提供する定温輸送容器等を組み込むことで、同機による血液製剤配送について、品質管理の面からも医学的に検証する。

本実証実験を通じて、沖縄県にて医療の現場で使用される緊急性の高い医薬品や医療品の定温輸送技術を活用したドローン配送サービスの社会実装を目指す。

将来的には「多数機同時運航の普及拡大に向けたスタディグループ」の検討結果などを踏まえ、従来の自動車での供給ネットワークに、複数のドローンの配送を組み込むことで効率性を実現すると共に、持続的な医療体制の維持に貢献するとしている。

実証実験概要

目的

ドローン（無人航空機）による輸血用血液製剤配送のフィジビリティの検証と経済性のシミュレーション

内容

ドローンを組み込んで沖縄県赤十字血液センターから沖縄県立北部病院まで研究用血液製剤を配送する。

期間

2024年11月27日（水）～12月1日（日）9:00～18:00頃（日没まで）
※天候事由により一部中止する可能性あり。

飛行区間

沖縄県浦添市伊奈武瀬球場～沖縄県名護市名護漁港

配送物

赤血球製剤（RBC）、全血製剤

使用機材諸元

Wingcopter198

飛行ルート（下図参照）

今回の飛行レベルは「レベル3運航」として、無人地帯での操縦者の目視外（BVLOS）飛行する。運航管理システムを一部取り入れることで、「ドローンによる医薬品配送に関するガイドライン」を遵守し、安全かつ効率的な運用をするという。

本実証事業における各社役割

▶︎ANA