本実証実験の概要
災害時の高齢者介護施設や避難場所への医薬品輸送を想定して検証
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本実証実験は、わかばの保険薬局にて医薬品をドローン専用容器に格納し、主に神奈川県下の高齢者介護施設などへ輸送することを想定して実施した。社会実装時には、慢性疾患患者の医薬品だけでなく、温度管理が必要な医薬品(インスリン製剤など)にも対応できるように、冷所保存の輸送も実施した。
また、飛行時のカメラ画像は災害状況の確認に有効活用できることから、今後は医薬品物流の担保のみではなく、幅広い活躍に向けた検討を進めるとしている。
実施内容
災害時のドローンによる医薬品輸送について、横浜市街地(さんかくはし・鳥山大橋・新横浜大橋上空を経由したルート 片道約2km)におけるドローンの飛行訓練により、人口密集地域を含む都市部において輸送条件の異なる複数の医薬品の輸送を実施した。
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実施日時:2023年11月12日(日)8:00~12:30
実施場所:横浜市港北区
検証した事項は以下のとおり。
温度管理(温度:2-8℃)が必要な医薬品(インスリン製剤)のドローン輸送
温度管理が不要な商材(重量:6kg以下 )のドローン輸送
検証結果
温度管理の必要な医薬品のドローン輸送 | 飛行時の適切な温度管理により、医薬品の品質を保持 ドローンに搭載した輸送容器内の温度は6℃~5.7℃を100分保持しており、飛行時においても適切な温度管理を実現した。これによって災害時に冷所保管が必要な医薬品供給において輸送の選択肢を広げ、安全かつ安定的な供給体制の実現を図るという。 |
温度管理が不要な商材のドローン輸送 | 6キロ以下の医薬品供給を効率化 医薬品の中でも比較的重量のある栄養剤1ケース(6kg)を搭載した飛行実験により、効率的な輸送を実証。重量のある医薬品においても、安全なドローン輸送を実現するという。 |
実証実験で使用した機体
機体寸法 | 約2.2m x 約2.4m x 約0.7m |
最大離陸重量 | 約45kg |
最大積載重量 | 約20kg |
最大巡行速度 | 約12m/s(約43km/h) |
最大航続時間 | 約30分 |
今後の展開について
2024年以降は専用の輸送容器の開発や、高齢者介護施設などへ実際の輸送を想定した実証やトライアルを予定しているという。