本出資により住友商事は、eVTOLおよび無人航空システム(ドローン)を用いた航空交通・物流システム、Advanced Air Mobility(以下:AAM)市場の創生を目指す。
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eVTOLは、既存の民間航空機と比較し、電動のため駆動時の温暖効果ガス排出量が格段に少なく、滑走路が不要で離着陸時の騒音も小さい。また、維持管理が必要な部品点数が少なく、将来的には自律飛行が可能で、運航費用を大幅に節減できると期待されている。日本国内おいては、「未来社会の実験場」をコンセプトとする2025年大阪・関西万博を皮切りに、eVTOLの社会実装と商業運航開始が計画されている。
Volocopterは、2011年にドイツ・ブルッフザール市で設立されたeVTOL開発・製造会社であり、開発中のVoloCityについて既存航空機と同基準の安全要求値を実現すべく、500名以上の体制で開発に取り組んでいる。世界の競合企業に先駆けて、2024年に欧州航空当局(EASA)からのVoloCityの型式承認取得と運航開始を計画。翌2025年には本邦国土交通省航空局(JCAB)からの型式承認取得と大阪・関西万博での運航開始を目指している。
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また、機材開発と並行して、航空業界・自動車業界・物流業界のグローバルパートナーとの連携も進めており、eVTOLによる交通・物流サービスの提供、離発着場の開発・運営・整備を含めた全体エコシステムの構築を通じてAAM業界をリードしている。
一方、住友商事は、航空業界におけるネットワークや事業活動を通じて培ったノウハウを活用し、2018年からAAM分野における事業化を検討している。2020年にはAAMの社会実装に不可欠な無人機管制システムを開発する米国のOneSky Systems Inc.に出資し、日本で市場開拓を行ってきた。同時に、国内外で小型ドローンを用いた各種実証を通じて、AAMと既存物流を組み合わせた持続可能な物流システムの実装に挑戦している。
同社はVolocopterとの連携を図り、AAMの日本国内の普及浸透と持続可能な新しい社会インフラの構築を行うことで、地球環境と共生しながら地域と産業の発展へ貢献していくとのこと。