本実証実験は、セイノーHDとエアロネクストが開発推進するドローン配送と陸上輸送を融合した新スマート物流「SkyHub」の社会実装に向けて実施したもの。
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具体的には、地域自主組織や地元事業者と連携し、買物弱者、医療弱者等の社会課題の解決のための様々な用途活用やビジネス採算性の検討を目的に、貨客混載やオンライン診療を組み込みながら、小学校、ゴルフ場、病院の3カ所を結ぶ複数ルートを農産物、フード、処方薬等、常時積み荷を空にすることない一連のチェーンドローン配送飛行(全てのルートがレベル3飛行)を実施した。
実証実験概要
背景と目的
安中市の人口は2000年の64,893人をピークに減少し続け、現在55,163人(2023年1月末日現在)で、少子化が進む一方、高齢化率も年々増加をしており、地区によっては6割から7割が高齢者という地区もある。市内には人口集中地区(DID地区)がないのも特徴で、低密度に拡散した都市構造になっている。また公共交通としては乗合バス・乗合タクシー等が運行されているが、利用客が年々減少しており、高齢化が進む地域やバス路線がない地域に住んでいる人の日常の買い物や通院などの交通手段が課題となっている。
そこで、ラストワンマイルの輸送手段にドローン配送を組み込み、地上輸送とドローン配送を連結、融合する新スマート物流システムの導入により、買い物代行や災害時支援、医薬品配送等を行う仕組みをつくり、課題解決を目指す実証実験を民間企業と行政が協働して取り組んでいる。
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実施内容
地域自主組織や地元事業者と連携し、地元住民に小学校、ゴルフ場、病院間をドローン飛行で経由させ、農産物、フード、処方薬等を各場所へ届けた。常時積み荷を空にすることのない運用、新幹線を活用した貨客混載、オンライン診療からの3名分の処方薬と買物代行の商品の混載や、届いた農産物を活用して調理したお弁当をドローン配送しすぐに商品として店頭陳列する、産直品の集荷・加工・納品・販売の連携など、今までにない複数の試みを実施した。
実験では、旧九十九小学校を物流サービスの拠点であるドローンデポ(仮設)としてドローン離着陸の起点終点とし、以下のように3つのドローン配送を一連のチェーンで実施。
1. 旧九十九小学校(仮設ドローンデポ)→THE RAYSUM(片道9.1km 約20分)
地元農家の野菜をデリバリー。届いた野菜、アンコウ(新幹線で届いた手荷物)を使ってレストランでシェフがお弁当を調理
2. THE RAYSUM→碓氷病院(片道6.6km 約15分)
調理されたお弁当をデリバリーし、近くのJAファーマーズまで電動自転車で運び店頭に商品として陳列
3. 碓氷病院→旧九十九小学校(仮設ドローンデポ)(片道4.7km 約11分)
あらかじめオンライン診療と門前薬局の3つの薬局によりオンライン服薬指導を受けてもらった碓氷病院の実際の3名の患者にそれぞれの処方薬と、買物代行を想定したJAファーマーズからの食料品日用品を混載してデリバリー(※ドローンによる医薬品配送のガイドラインを遵守したうえで、実際の各患者へ処方薬をデリバリーしている)。
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ドローンで配送された処方薬と買物代行の焼き芋を受け取った鈴木美智恵さんは、「最近はガソリン代も高くなり、年を取ると運転も難しいのでありがたい。今後実用化したらぜひ薬も買い物もお願いしたい。」とコメントした。
同実証実験は、エアロネクストがACSLと共同開発した日本発の量産型物流専用ドローンAirTruckで行った。