會澤高圧コンクリート株式会社は、アームロボット式のコンクリート3Dプリンタ「c3dp」を用いて、デザイン性の高い建築物や造形物を設計施工するc3dp事業をスタートさせた。北海道新冠町にある太陽の森ディマシオ美術館に併設するグランピング施設の建築を受注、7月28日にグランドオープンした。
- Advertisement -
「c3dp」は、2018年にオランダのCyBe Constructionと技術提携したことから始まり、これまで民族共生象徴空間の外構ベンチの納入や公衆トイレの印刷、PC建築と組み合わせた立体レリーフなどを手掛けてきた。宿泊を伴う住空間を印刷したのは、今回が初めてとなる。
宿泊棟本体は、建設現場にアームロボットを持ち込み、基礎の上に直接印刷を行うオンサイトプリンティングを採用。建物の高さは2.6mで、床面積は9.8m2。2層の中空層を持つ外装は、外側の層にコンクリートを充填し、配筋を施した鉄筋コンクリート造の構造体をつくり、内側の層には断熱材を充填したという。
ディマシオ美術館のグランピングのコンセプトは「自然・宇宙・アートとの共生」。デッサンや3Dデータ等のデザイン案をたたき台に、テストプリントの質感を施主と共有。イメージを合わせ美術館にふさわしい意匠性に優れた形状や凹凸感を実現した。
- Advertisement -
同社は、c3dpを用いたスピード施工によって、省人化と工期短縮を期待するだけでなく、c3dpだからこそ実現できる特殊な形状やテクスチャーを発注者との対話を通じて生み出し、新しい建設の価値を創造していくという。