ノキアソリューションズ&ネットワークス合同会社(以下:ノキア)と株式会社NTTドコモ(以下:ドコモ)、日本電信電話株式会社(以下:NTT)は、6Gの実現に向け、主要技術の定義および開発における連携を開始したことを発表した。
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今回の提携では、AIネイティブのエアインターフェースと、サブテラヘルツ波の無線アクセスの2つの新しい6G技術に開発に注力。
AIベースの6Gのエアインターフェースは、従来のエアインターフェースと比較して性能が向上し、高速大容量のビームフォーミング・アクセスは、140GHzの高周波帯域で達成できることを実証目標にしているという。
ノキアは、6Gネットワークで、重要な要素となるテクノロジーが以下の6つだという。
- 新しい周波数帯技術
- AIネイティブなエアインターフェース
- センサーとしてのネットワーク
- 極めて優れた接続性
- 認知的かつ自動化され特殊化されたアーキテクチャ
- 信頼性の高いセキュリティ
今回のパートナーシップでは、6つの主要な技術のうち、まずは次の2つに注力するという。
1つは、ミッドバンド帯へディープラーニング(深層学習)の受信機を搭載した送信機に、AIベースで学習させた波形のメリットを実証する。
もう1つは、サブテラヘルツ波の周波数帯域で高速大容量の屋内通信を試験する。
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これらの技術は、エネルギー消費を増加させることなく、各スペクトル帯域で実装の柔軟性を大きく改善し、5G以上の高速大容量通信の可能性を秘めているという。
視覚や聴覚などの複数のコミュニケーションモードを利用した複合現実のテレプレゼンス、リモート・コラボレーション、コラボレーションロボットなど、6G時代ならではの高度で新しいユースケースを実現するためには、高速大容量のアクセスを提供することが重要になるとしている。
2022年内に、日本国内のドコモおよびNTTの施設、ドイツ・シュツットガルトのノキアの施設で、実証実験の環境整備を行い、対象となる試験と測定を開始する予定。
各社のコメント
ドコモ常務執行役員(CTO)R&Dイノベーション本部長 谷直樹氏
ドコモは、2014年よりノキアと連携することで、5Gの無線技術検証とともにユースケースの開拓を推進しました。今回のノキアとの合意により、6Gコンセプトの実現に向けても連携できることをうれしく思います。ドコモとNTTは、ノキアと6Gで利用が検討されるサブテラヘルツ帯の無線伝送技術やエアーインターフェースへのAI技術の活用に関する技術検証を開始するとともに、今後様々な業界のパートナーの皆様とともに6Gの商用化に貢献していきます。
ノキア ベル研究所 コア研究部門 ピーター・ベッター氏
6Gは、デジタルの世界、実際の世界、および人間の世界を横断して人間の体験を統合していくことを想定しています。世界をリードするノキアの各研究所は、ドコモ様と長年にわたり協業してきました。常に新世代の製品をいち早く市場に投入している世界有数の通信事業者であるドコモ様やNTT様と、このような協業関係を結ぶことができたことを大変光栄に思います。6Gビジョンの実現に向けて、鍵となるコンセプトや技術の検証を協業して進めていきたいと考えています。