DJIは、いよいよシネマカメラ「Ronin 4D」を12月に発売する。希望小売価格とラインナップは以下の通り。
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DJI Ronin 4Dは、6Kコンボと8Kコンボの2つバージョンをラインナップする。6Kには、X9-6Kジンバルカメラ、6K動画撮影に対応。8Kコンボには、8Kで動画撮影対応したX9-8Kジンバルカメラが同梱される。6Kコンボと8Kコンボは違いは、8Kコンボには、PROSSD 1TB、USB-C-USB-Cケーブル、PROSSDマウント、その他アクセサリーを同梱としている。
これがドローンメーカが作るシネマカメラの回答だ
Ronin 4Dは、まずそのデザインに目を見張るはずだ。カーボンファイバーとマグネシウムアルミニウム合金を使用した堅牢な一体型設計された筐体をベースにモジュラー設計を実現している。ティザーで掲げられていた「イメージングシステム」、「フォーカスシステム」、「ジンバル」、「無線伝送」が統合され、カメラメーカではないアプローチで生まれたシネマカメラと言える。
一体型設計により、今までセットアップに要していた時間が短縮され、撮影に即座に取り掛かれる。また、コンパクトなボディーにはモジュラー設計が施され、幅広い種類のアクセサリーに対応可能で、純正品も準備されているという。
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フルサイズセンサーカメラ「Zenmuse X9」を搭載
Ronin 4Dには、フルサイズセンサーカメラ「Zenmuse X9」を搭載し、DJIの映像処理システム「CineCore 3.0」に対応している。
CineCore 3.0により、Ronin 4DはApple ProRes RAW、ProRes 422 HQ、H.264動画の内部収録が可能。また、8K/75fpsと4K/120fpsの動画撮影にも対応し、映画レベルのコンテンツ制作を実現可能としている。
Zenmuse X9は、デュアルネイティブISO(X9-8K:ISO800/4000、X9-6K:ISO800/5000)に対応。14ストップ以上のダイナミックレンジに対応したZenmuse X9は、逆光や直射日光があるような複雑な照明条件下での撮影でも、明暗部の細かな階調を自然に表現可能。従来撮影が非常に難しかったようなシーンでも、求めていた映像を簡単かつ確実に捉えらることができるという。
DJIシネマカラーシステム(DCCS)とCineCore 3.0の計算能力により、Zenmuse X9は、真の色合いを正確に捉えながら、シネマティックな映像を撮影可能。また、業界で標準とされる規格ACESワークフローに対応し、他のシネマカメラと同じトーンでのカラーマネージメントも行える。
X9には、9ストップの高品質NDフィルターが内蔵され、内部モーターを搭載したシステムにより、迅速に切り替えることが可能。また、これらのフィルターは、Ronin 4Dのカラーサイエンスにマッチするように設計されている。
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X9のレンズマウントは交換可能で、DJI独自のDLマウント以外にも、Leica Mマウント対応しているのも興味深い(Mマウントは全てマニュアルなのだ)。もちろん、X9は、従来のシネマカメラと互換性がある超広角、f/0.95大口径、電動ズーム、マクロ、アナモルフィックレンズなどにも対応しているため、幅広いラインナップのレンズが使用できるとしている。
マニュアルレンズ(MF)とオートフォーカスレンズ(AF)のどちらを使用してもも、X9に搭載された専用モジュールにより、無線でのレンズ制御やオートフォーカスが可能だという。
X9-8K | X9-6K | |
解像度/最高フレームレート | 8K/75fps | 6K/60fps 4K/120fps |
ダイナミックレンジ | 14ストップ以上 | 14ストップ以上 |
ネイティブISO | 800/4000 | 800/5000 |
LiDARで距離測定、マニュアルレンズをオートフォーカスへに
DJI Ronin 4Dでは、マニュアルフォーカスが今まで以上に容易になるという。視覚化されたフォーカスアシスト技術により、メインモニターや遠隔モニターで、シンプルなトップダウンビュー上に測距点を表示。この直感的に理解できるLiDARウェーブフォームによって、焦点位置を素早く把握し、高精度での焦点調整を行うことが可能。マニュアルフォーカスの経験が少なくても、簡単にマニュアルフォーカスをマスターできるという。
LiDARレンジファインダーの検知範囲は最大10mで、最大43200個の測距点の検知が可能。
LiDARフォーカスシステムを使用で、Ronin 4Dであれば継続してフォーカスすることが可能。また、フォーカスモーターを取り付ければ、マニュアルレンズでも、オートフォーカスを使うことができる。そうライカMマウントレンズもオートフォーカスが可能になるのだ。
自動マニュアルフォーカス(AMF)モードは、マニュアルフォーカスの精度と柔軟性、そしてオートフォーカスの便利さを合わせ持つモード。焦点位置の変化に合わせて、フォーカスホイールが自動で回転し、オートフォーカスのように焦点を調整可能。自動調整中はいつでも手動でフォーカスホイールを調整して、焦点を制御することが可能としている。
右ハンドグリップに搭載されたフォーカスホイールは、電磁技術を使った触覚制御機能を搭載。これにより、焦点を変更する際の物理的な操作感覚を調整できるため、他の製品では経験できない最新式の焦点調整を直感的に行えるとしている。
映像伝送技術を駆使して日本国内では4kmの長距離伝送を実現
刷新されたDJI O3 Pro映像伝送技術を駆使し、6km(日本国内:4km)という長距離伝送を実現。1080p/60fpsのフルHD動画を複数の遠隔モニターに同時に出力することができ、優れた安全性と安定性、そして耐干渉性を発揮できるという。
DJIが独自に開発したチップは、Ronin 4Dのイメージングシステム、映像トランスミッター、映像レシーバー、遠隔モニターに使われており、これらのコンポーネントが連携して合理化された無線伝送システムを形作り、それぞれのリンクは最適化され、エンドツーエンドでの超低遅延伝送を実現可能。
4D映像トランスミッターは、Ronin 4Dに直接取り付けることができ、本体のバッテリーから電源を供給する。無線映像レシーバーが内蔵された高輝度遠隔モニターには、7インチ、1500nitの高輝度、広色域のタッチ画面ディスプレイが搭載され、拡張モジュールを通して、HDMIとSDI信号の両方を出力することが可能。コンパクトで軽量設計の本製品は、優れた携帯性で素早くセットアップできるため、時間をかけずに撮影を開始できる。
高輝度遠隔モニターは、1つのトランスミッターと複数のレシーバーに対応し、映像と音声を受信できる。伝送には、配信モードと制御モードの2つのモードがあり、配信モードではレシーバーの数が制限されないため、大人数のクルーがいる撮影現場でのモニタリングに適しているという。制御モードは、2つのレシーバーを使って、連携しながら撮影を進めることが可能。
ミラーリング操作モードでは、メインモニターと全く同じ操作画面情報を高輝度遠隔モニターに表示し、オリジナル素材の再生、動画のパラメーターやジンバルの設定といった高度な機能を含む全ての操作に対応。これにより、Ronin 4Dが、ジブ、ケーブルカム、カーマウントのような拡張プラットフォームに取り付けられていたとしても、遠隔で調整することができる。
高輝度遠隔モニターは、microSDカードスロットを搭載し、最大1080p/60fpsの動画を独立して録画が可能。複数の遠隔モニターを併用する場合は、各モニターで素材を別々に確認することができ、他のモニターを干渉することはないという。
外部メディアに撮影した映像を直接保存が可能
Ronin 4Dは、CFexpress Type BスロットやUSB 3.1 Type-C拡張ポートを搭載しているため、外部メディアに撮影した映像を直接保存を可能としている。また、DJI PROSSD 1TBを使用して、高スペックの動画を内部収録が可能。
DJI PROSSD 1TBは、USB-Cケーブルを使って直接PCに接続することができるため、従来のSSDリーダーを使わずにメディアにアクセスが可能。ストレージの選択肢が複数あるため、費用対効果の高いソリューションを、性能と安定性の両方を追い求める映像制作者に提供できるとしている。
Ronin 4Dの内蔵マイクは、デュアルチャンネルの24bit音声収録に対応。また、3.5mmジャックとXLRマイクポートも搭載しているため、様々な音声入力を利用できる。
Ronin 2やInspire 2と同様に、DJI Ronin 4DにはTB50インテリジェントバッテリーを使用し、最大2.5時間の撮影時間に対応。1.5時間で完全充電できる。極端な寒冷地での安定した機能性を確保するために、自己発熱機能も搭載しているという。