鹿児島空港での記者会見の様子
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株式会社ユーグレナ(以下:ユーグレナ社)は、千葉功太郎氏らが共同所有し、株式会社Japan Biz Aviation(以下:JBA)が運航管理を行うプライベートジェット機「HondaJet Elite」に、ユーグレナのバイオ燃料「サステオ」を使用したフライトを実施した。また、2021年秋にサービス開始を予定しているHondaJet Eliteの一般向けチャーターフライトにおいて、ユーザーが申込時にサステオの使用をオプションとして選択可能になることを発表した。
同フライトは、千葉氏らHondaJet Eliteの共同所有者がユーグレナ社の「GREEN OIL JAPAN」の理念に賛同し、ジェット機移動の際に排出される二酸化炭素を削減する手段の一つとして、ユーグレナ社のバイオ燃料サステオの使用に至った。民間航空機でのサステオジェット燃料の使用は、世界で初めてとなる。
同フライトで使用したサステオは、原料に使用済み食用油と微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)由来の油脂を使用し、ユーグレナ社のバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントのBICプロセスにて製造、外部検査機関によるASTM D7566 Annex6規格への適合検査に合格したものを既存石油系ジェット燃料と混合したバイオ燃料だ。
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なお、同フライトは、2021年6月29日11時に鹿児島空港を離陸し、約90分間の飛行を経て羽田空港へと着陸した。そのまま記者発表会となった。ユーグレナ社のCM出演中のカズレーザー氏も応援に駆けつけた。今回のフライト実施に合わせ、YouTubeでのオンラインライブ配信も行った。
同フライトを機に、同機共同所有者・JBA・ユーグレナ社は新たな試みとして、HondaJet Eliteの一般向けチャーターフライトにおいて、ユーザーが申込時に「サステオ」の使用をオプションとして選択可能になる。ユーグレナ社が継続的にサステオをJBAに提供することで、チャーターフライトを利用するユーザーの選択により、サステオを使用したフライトを実施する。
なお、2021年秋以降の一般向けチャーターフライトについて、初年度は年12回程度の利用を見込んでおり、全てのユーザーにサステオ使用をご要望いただいた場合でも十分に供給できる体制を整えているという。サステオを使用した一般向けチャーター機に関する案内は、今後ユーグレナ社HP上に特設ページを開設予定。
ユーグレナ社は、2018年10月末、日本初のバイオ燃料製造実証プラントの竣工を機に、「日本をバイオ燃料先進国にする」ことを目指す「GREEN OIL JAPAN」を宣言し、陸海空における移動体にバイオ燃料を導入することを目標として掲げてきた。
2020年3月には、サステオディーゼル燃料が完成、供給を開始し、バス、配送車、フェリー、タグボート、一般生活者向けにガソリンスタンドなどでバイオディーゼル燃料の導入が拡大している。
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2020年8月には、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下:NEDO)の公募事業である「バイオジェット燃料生産技術開発事業/実証を通じたサプライチェーンモデルの構築、微細藻類基盤技術開発」の採択を受け、2025年中のバイオ燃料製造商業プラントの稼働開始に向けて、原料調達から燃料製造技術、燃料供給までの一貫したサプライチェーンの整備、および燃料用原料としての微細藻類生産における技術開発を推進している。
ユーグレナ社のバイオジェット燃料製造については、2021年3月に国産バイオジェット燃料でのフライト実現への大きな一歩であるサステオジェット燃料が完成。6月4日に国土交通省航空局保有の飛行検査機「サイテーションCJ4」に導入した初フライトを実施し、今回が2機目への導入となる。
ユーグレナ社は、今後もサステオの普及に取り組むことで、バイオ燃料利用が一般消費者にとっても当たり前となるサステナブルな社会の実現を目指すとしている。