サクラボテクノロジーズ合同会社は、農業用を含む大型ドローン向けのプロペラガードのデザインデータを、3Dデータ共有サイト「Thingiverse」(運営:Makerbot社)に公開した。
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拡大する需要に対して取り残されたプロペラガード
農業用ドローンの多くはプロペラガードを備えていない
インフラ点検、各種調査、農業、物流と広がり続けるドローン需要を支えるためには運行管理システムや機体の品質確保が求められる。ドローンはカーボンフレームを中心とした軽量なシステムではあるが、回転翼機においてはその推力をプロペラに頼らざるをえず、現在運用されている大型ドローン(軸間1000mm以上)はプロペラガードのない形式がほとんどで、需要が急拡大している農業用ドローンにおいても100万円以下のドローンではほとんどプロペラガードが取り付けられていない。逆に流通量の多い小型、ホビー向けはプロペラガードが供給されている。
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大型ドローンのプロペラは直径で50cmを超えるものもあり、以前から接触時の対人・対物保護は課題となっていたが、個々のドローンサプライヤーがそれぞれの機体に合わせてゼロから設計するのは現実的に難しい状況だという。
世界最大の3Dデータ共有サイト「Thingiverse」で提供中
Thingiversトップ画面
そのような状況を踏まえ、大型ドローンで汎用的に使えるプロペラガードのデザインデータを無償公開することで、多様なドローンに対応し、ドローンの普及及び運用に貢献したいという。このプロペラガードのデザインデータは3Dデータ共有サイト「Thingiverse」でシェアされている。ここには世界中のデザイナー、クリエイターから様々なジャンルのデータが投稿されており、ユーザーはそれをダウンロードして使うことができる。すでにドローンに関連したデザインがフレームを中心に世界中のユーザーから投稿されておりこのコミュニティにおいてもドローンの注目度が高いことがわかる。
現場では工具不要でつけ外し可能
モーター底部に固定用ベースさえ予め取りつけておけば、以降のつけ外しは工具不要で数分で作業が終わる。ドローンに限らず、現場で工具を探したり、手に持ったりする行為はストレスの原因になる。
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3Dプリンタの活用により利用のハードルが低下
3Dデータビュー画面
樹脂部品は3Dプリンタを活用することで、高価な金型製作を必要とせず必要な数だけ製作することができる。通常は樹脂製品は金型を使った製作となるため、金型の設計が発生し、少量の製作には不向きだったという。このプロペラガードは、樹脂と市販のカーボン材(インターネット通販で購入可能)を組み合わせているだけなので、どこでも、だれでも製作が可能で、プロダクトに有りがちなイニシャルコストの発生を抑えている。
機体ごとにカスタマイズが可能
オレンジ色が制作したベース部分
現行のデザインではモーターマウント底部にプロペラガードのベースを取り付け、そこから展開する構造となっているため、取り付ける機体のモーターマウントに合わせてデザインデータを修正するだけで多くのドローンにフィットさせることができる。3D-CADを扱えるオペレータなら容易にデザインができ、機体の形状によってはモーターではなくアームにマウントを設置するデザインも可能。本デザインはモーターを4つ備える「クアッドコプター」に合わせているが、デザインデータを修正することでより多くのモーターを搭載した「ヘキサコプター」「オクトコプター」形式のドローンに対応する。公開しているデザインデータはETF製のフレームをベースにしている。
ベース部のロッド取付ホール
プロペラガード諸元(全て参考値)
寸法 1400×1400mm(軸間1100mmのクアッドコプターの場合)
素材 ABS樹脂及びカーボン
重量 約1400g
部品点数 樹脂部品16点 カーボン材20本