スイスのu-blox AG(日本法人、ユーブロックスジャパン株式会社。以下:ユーブロックス)は、数秒以内にセンチメートル級の精度を提供する高精度GNSS(全地球測位システム)モジュールZED-F9Pが新たな支持を得たことを発表した。高精度GNSS位置補正技術によりQuantum-Systems社製UAV(電動固定翼無人航空機)の救命活動を支援する。
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民生用電動VTOL(垂直離着陸)機の開発と生産を専門とするドイツのQuantum-Systems社は、最新のUAVであるTron F90+にZED-F9Pモジュールを搭載した。同ドローン・ユニットは、最大飛行速度160km/時、航続距離100km、翼幅は3.5mで、緊急輸血用血液の遠隔地への輸送といったミッションクリティカルな物流活動、鉱業や農業関連に導入されている。
Quantum-Systems eVTOL UAVプラットフォームTron F90+は、貨物、測量・地図、悪条件下での偵察飛行を目的として設計され、Trinity F9、ScorpionおよびVectorの各UAVなどで構成されている。これらにはすべてu-blox F9高精度GNSS技術を搭載している。
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Tron F90+ UAVの開発に際し、Quantum-Systems社のエンジニアリング・チームが直面した大きな課題は、垂直離着陸(VTOL)の操作が常に円滑に進むよう、高精度な位置データを取得し、輸送するペイロードを保護することだったという。
ZED-F9Pで利用可能なマルチバンド・リアルタイム・キネマティック(RTK)およびRawコードとキャリア位相データにより、必要な位置補正が保証され、パイロットは難易度の高い操縦が可能となる。Tron F90+の各UAVはZED-F9Pモジュールを搭載しています。RTKまたは後処理補正により、絶対位置の精度を3~5cmにすることも可能。
これはユーブロックスのモジュール精度が標準的なメートル級のGNSSソリューションの約100倍である。Quantum Systems社、最高技術責任者のMichael Kriegel博士は次のようにコメントしている。
Kriegel氏:このドローン・プロジェクトには、PPK機能を搭載し、将来的にはRTK機能を付加し、高精度で低コストかつ信頼性の極めて高いソリューションが必須でした。ZED-F9Pモジュールの軽量でありながら堅牢な構造、組み込みの容易性、優れたコンポーネント品質のすべてが、ユーブロックスを選択する決定要因でした。
ユーブロックスの測位製品センター、プロダクト・ライン・マネージメント(高精度)部門ディレクターのPeter Fairhurst氏は次のようにコメントしている。
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Fairhurst氏:今年初めのリリース以来、当社のu-blox F9プラットフォームは、さまざまな産業セクターの幅広い分野で急速に採用が進んでおり、信じられないほどの市場牽引力を得ています。このたびのQuantum-Systems社とのプロジェクトは、間違いが許されないアプリケーションに業界最高レベルの測位精度を提供すると同時に、関連するBOM(部品)コストを抑制する、当社の優れた実例の1つです。
ユーブロックスとは
ユーブロックス社(SIX:UBXN)は、民生、産業および自動車市場向けにワイヤレスと測位用半導体を提供している。同社のソリューションにより、人、自動車や機械等がそれぞれの位置を正確に決定し、セルラーおよび近距離ネットワークでワイヤレス通信を行うことができる。同社はスイスのタルウィルに本社を置き、世界各地、特に欧州、アジア、米国に多くのオフィスを構えている。
Quantum-Systemsとは
2015年にミュンヘンで設立されたQuantum-Systems GmbHは、自動操縦の電動垂直離着陸(eVTOL)固定翼ドローンの開発と生産に特化した企業。50名以上の従業員が、付属装置不要の垂直離着陸機能と航続距離および電気効率を融合させることに、集中的に取り組んでいる。