(C)Lift Aircraft
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UberやAirbus、Porscheといった企業が自社のパッセンジャー・輸送ドローンをマイナーアップデートし続ける中、まだあまり名の知られていないあるベンチャー企業が全く別のアプローチを図ろうとしている。Lift Aircriftは、既存の都市部ドローン・モビリティのロジスティクスや規制枠組みに囚われずに、18機のローターを搭載する自社のヘキサコプターでの短時間のレクリエーションフライトを提案している。約195キロの重量を誇るこのドローンは、1人を乗せた状態でおよそ10分から15分ほどのフライトが可能で、来年にも一般利用が可能になるという。
Liftは、アメリカ25都市の「景色が美しく、渋滞のない地域」にある拠点でのフライト体験が楽しめるとしている。ヘキサコプターは「本物の」の航空機とされていないため(超軽量動力機という扱い)、パイロットライセンスは不要だ。しかし同時に、最大でも90メートル程度の高度でしか飛行できず、人口密集地帯の上空を通ることができないという制約もある。
サービスの概要については以下の通りだ。一回当たりの利用料金は150ドルから200ドルほどで、まずはVRトレーニング・シュミレーターを一通りクリアする必要がある。搭乗するパイロットは満18歳以上でなければならず、身長195センチ以下、体重114キロ以下の条件を満たしている場合のみ操縦できる。フライトの時間は15分ほどで、搭載されているコンピュータが機体の安定を保ち、パイロットはジョイスティックとiPadを使用してドローンを操縦する。
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さらに安全面を強化する措置として、18のローターのどれかがバッテリー切れを起こした際には自動的に着陸するシステムが採用されている。また、エンジンが最大6つ停止している状態でも飛行可能で、パラシュートや水面着陸用のフロートも完備している。
予約受付は開始したばかりだが、Liftはまだ最初のロケーションを決めかねている。Matt Chasen最高経営責任者以下のようにコメントした。
拠点周囲の地域には、頭上を大きなドローンが飛び回ることに慣れていただかなければなりません。
機械音はそこまでうるさくはありませんが、極端に静かというわけでもないのです。多人数乗りの垂直離着陸エアタクシー、特に固定翼飛行への移行が可能なデザインのものが実現するのはおそらく10年先で、実用性と安全性の確保のために新たな法規制やバッテリー技術の大幅な進歩が必要になってきます。そういった大規模な技術革新や法規制の突破を延々と待ってはいられなかったのです。我々は他社より何年も早くフライトを実現します。
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それでも同氏は、自社のドローンと、交通手段というよりは純粋に「楽しい」飛行体験へのフォーカスが、他のドローンメーカーとの競争においてスタートダッシュを切ることにつながるという自信を見せている。