岩手県ドローン協会は、岩手県雫石町とドローンを活用した災害時等業務協力協定を締結したことを発表した。同協会が県内の市町村と災害協定を結ぶのはこの協定が初であり、今後は町が協会に年間委託料を支払い、大雨災害などの大規模災害や山岳遭難事故発生時に出動を要請する。
- Advertisement -
岩手県雫石町では2013年8月の県央部豪雨で、道路が寸断され、孤立した地域が発生。近隣地域には岩手山と秋田駒ケ岳といった活火山も抱えており、災害がいつ起こってもおかしくはない状況に機敏に対応する必要があった。そこで災害時にドローンを活用しようと岩手県ドローン協会に協力を働きかけた。
同協会は2016年4月にドローンの普及及び有効活用、関連産業の振興について関係機関、団体、企業と取り組みを図ることを目的に設立した一般社団法人で、県内外の企業13社が会員となっており、協会全体で大小15基のドローンを所持しており、会員が操縦を務めることで、面積の広い雫石町の複数の場所で運用が可能だという。
従来のドローンでは、災害現場や山間部での飛行は電波通信が遮断されるという問題から非常に困難だったが、採用されたDJI社製「QS8」では何らかの原因で電波が遮断されても目的地へ自動で着陸し、安全に物資を搬送することが可能となっている。
- Advertisement -
QS8は最大6kg(推奨)の物資を積載することができる、物資搬送に特化した機体で、高性能な防塵・防滴性能や拡張性があるカメラマウントを有しており、様々なカメラが搭載できることから災害現場の正確な状況確認も可能であり、大規模災害現場での飛行に非常に適した機体。同協会では会員企業でQS8を2機所有しており、ドローンオペレータを複数名抱えていることから、同災害防災協定に繋がったという。