EHang 184といえば、人が乗れるドローン(あえてこの表現のまま)として今年のCESでは、大きな話題をさらった。実現されるかどうかは置いておいて(すでにネバダ州で実証実験中だというが…)将来の交通手段を想起させる提案だった。交通渋滞からくる新しいモビリティーの提案はここ最近様々な方面で見かけるようになった。今回は少しドローンとは異なるが、 もし空を個人的に交通手段に仕えたならば?ということで、パーソナルエアクラフトが安価にかつ簡単に使えるようになるかもしれないというトピックをお送りしよう。このパーソナルエアクラフトの開発を行っているAirvinciへのインタビューを紹介しよう。ひょっとしたら彼らがインタビューで答えていることは未来のパーソナル交通システムについてなのかもしれない。
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Airvinciについて
Airvinciはトロントのスタートアップで、前述の通り新型のエアクラフトを開発し、日常におけるパーソナルな飛行を可能にすることを目指している。Airvinciでは多国籍の12人のメンバーが働いている。パーソナルエアクラフトの第一プロトタイプはほぼ完成しており、今夏よりテストフライトを予定している。AirvinciのVTOL(垂直離着陸型飛行機)は7フィートとコンパクトで、2つの分離式エンジン・パラシュート常備など安全性にも優れており、おまけに使いやすく、お手頃価格という魅力的なパーソナルエアクラフトだ。デザインはカプセル型で重量は約115Kg、そのため、超軽量のエアクラフトとして登録されている。
どのようにアイデアが生まれたか?開発のプロセスは?
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当時Airvinci創業者のTarek Ibrahim氏は交通渋滞に巻き込まれることにうんざりしていたため、トロント大学時代に垂直離陸型のエアクラフトを製作していた。その後一度は止まっていたアイデアだが、彼は10年来のそのアイデアを追い続けることを決心した。この1年半でさらにメンバーが加わり、エンジン以外はゼロからの設計が始まった。彼らには2つの大きなチャレンジがあった。それはギアボックスを完全に内製することと、ダクトとローターの製造工程だった。試行錯誤の末、彼らは完璧なエアクラフトをデザインしたという。
開発におけるキープレーヤーは?
中心となって鍵を握るのはやはり創業者のTarek自身だ。彼は製作している機体のについて隅から隅まで把握しており、全ての仕事を彼が調整し、週末だろうと昼夜問わず作業をし続けた。また、初期からプロジェクトに加わっているAlexはパワートレインに関する責任を任されていた。MarkusとMegは通信とビジネス開発における責任者だ。彼らの議論はしばしば不一致が起こり、夜中までミーティングが続くことも珍しくなかったが、その末に彼らは素晴らしい答えを導き出せたのだった。
いつパーソナルエアクラフトは手に入るのか?現時点で開発やリリースにおける問題は?
現在パーソナルエアクラフトは第一プロトタイプの最終ステップの段階で、ほぼアセンブリーまできている。1回目のテスト飛行は間近に計画されており、今夏にはさらなるテスト飛行を行う予定だ。すべてが予定通りに行けば、2017年後半までに市場にドローンバージョンを投入できるだろう。ヘリコプターバージョンは、翌年以降、試験テストを重ねていく。リモートコントロールや自律飛行のような拡張機能は開発にさらに時間がかかるだろうし、新しい法律や規制に依存する部分が多い。
Airvinciのターゲットは?
将来、Airvinciのヘリコプターやドローンは多くの人の役に立つだろう。例えば、ヘリコプターはタクシーの代わりになり、ドローンバージョンは直接大きなもの(TVや洗濯機など)を早く届けたいときに役立つだろう。現在、主なユーザーは救急関係者(ライフセーバーや消防士)、ロジスティック企業(AmazonやFedEx)が想定されている。もちろん、おもちゃマニアのパイロットたちも。
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他にはない、Airvinciの特徴は?
「空飛ぶ車」というコンセプトに関しては、他のエアクラフトと類似する部分があるのは事実だ。しかしAirvinciのデザインの特徴は、使いやすさ、安全性、飛行時間と距離、汎用性、快適さ、そしてメンテナンスや修理を含めた安価な価格設定だ。彼らは良いコンセプトを持っていると自負しているため、価格競争をするつもりはないという。
他に進行中のプロジェクトやアイデアはあるか?
彼らは目下ドローンバージョンの開発に力を注いでいる。テスト成功後にデザインを改善し、コクピットの開発、その後自律飛行開発へと向かうとしている。しかし、それもやはり新しい法や規制に依存してくる部分が大きいようだ。Airvinciは現在のテスト飛行の様子をライブストリーミングしている。その様子はこちらにサインアップしてみることができる。