人間を約2名運ぶことのできる“救急ドローン”が空を飛ぶ。AirMuleという名のドローンは、縦方向にまっすぐ浮いたり降りたりすることができる。これは、ヘリコプターが着陸するのに難しい場所、例えば戦場でも扱いやすいための機能だ。このドローンはイスラエルの会社Tactical Robotics社が開発し、450kgまでの重さを約5.5km上空まで持ち上げることができる。そのため、戦場での救助に出動した際、撤退も素早く行える。
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イスラエルの民間航空局からの飛行許可を得たうえで、テスト飛行では試験用の施設からMegiddo山の飛行場へ飛行した。同社では1年以内にAirMuleに積み荷を乗せたテスト飛行のデモンストレーションを行うことを計画中だ。また見通し外伝搬に関する実験も予定されている。
Megiddo飛行場の試験飛行基地。Photograph:Tactical Robotics
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撤退の速さは重要だが、それ以外にもAirMuleには特別な性能がある。エンジンがひとつのみでローターシステムが機体の外ではなく内部に組み込まれているため、今までのドクターヘリとは違い建物や物体に接近し、ぶつかりそうな時には素早く避けることもできる。
人を運ぶドローンの開発を試みているのはTactical Robotics社だけではない。中国のEhang社がCESで発表したのは100kgまでの人を乗せたままおよそ100km/hの速さで23分間ほど飛ぶことができるというコンセプトのものだった。人助けのためのドローンが実用化される日はとても近いのかもしれない。