8K60fps・14.5ストップダイナミックレンジにバージョンアップされた高度な撮影機能がどのような世界を作るのか、さっそくレビューしていきます。
360°カメラって何ができるの?
まず、360°カメラがどのようなものか知らない方に向けて特徴を簡単にご説明すると、360°全て撮ってからリフレーミング(16:9等の映像画角に切り出し編集)することで自由自在に映像が作れる魔法のようなカメラです。
例えば、サバゲーでライフルにOSMO 360 IIを取り付けると、ライフルで狙った先を映す緊張感のある画角だけでなく、"ビビる自分"もいっしょに撮影することができるので、編集で画角を変える操作(リフレーミング)をするだけで複数のカメラを設置して撮影したかのような臨場感ある映像を作ることができます。

もちろん、360°全ての画角を自分で選んで見るVRのような映像も残すことができます。下記は先ほどのサバゲー映像をリフレーミングせずにYouTubeにアップロードしたものです。スマホやタブレットであれば動画右下の「見る YouTube」ロゴをタップしてYouTubeアプリで見ていただけると、端末を向けた方向を見ることができます(PCで見る場合は動画右下の「見る YouTube」ロゴをクリックしてYouTubeを表示し、マウスで画面をドラッグすると見たい方向を見ることができます)。
また、蝶々ような動きの激しい被写体でも、OSMO 360 IIを近づけるだけで画角を外さない映像をあとから編集で作成することもできます。下記の映像はカメラをいろいろな向きに変えてちょう蝶を追いかけたように見えるかもしれませんが、実際の撮影時はカメラの向きは固定し編集時に蝶が画角から消えないように編集(リフレーミング)したものです。
ほかにも、OSMO 360 IIのような360°カメラならではの表現として、ありえないくらいの超広角画角にすることによって世界が小さな惑星のようになってしまったような表現もできますし、カメラは固定で置いたまま撮影していてもリフレーミング次第では自由自在に画角を動かすこともできます。
このような多彩な表現力をもったカメラが360°全景を撮影できるOSMO 360 IIなのです。
OSMO 360 IIの外観レビュー・特徴
何はともあれ、まずはパッケージを開封していきます。OSMO 360 II本体を取り出すと、なんと「NFC」のラベルが!そう、OSMO 360 IIは対応スマホをかざすだけでデータ通信ができる近距離無線通信「NFC」に対応しました。OSMO 360 IIにスマホをかざすだけで専用アプリDJI Mimoが立ち上がり撮影した映像データをスマホにダウンロード、編集することもできます。


そして、360°カメラには必須の伸縮式スティックももちろん同梱されています。360°カメラは180°以上の画角を撮影できるレンズを表と裏に搭載して同時に撮影し、リアルタイムに合成して360°映像を作ります。その際、スティックを装着して撮影すると、スティック部分を2つのレンズの視差や合成によって消すことができるので、まるでカメラが宙に浮いているかのような画角で撮影することができるのです。

では、OSMO 360 II 本体も詳しく見ていきましょう。ぱっと見はそれほど変わったように見えませんが、レンズが交換式になったり、表側のマイクが大きくなったりと細かい部分でバージョンアップされています。











外見だけではなく、カメラとしてのスペックについても前機種と比較しながら見ていきましょう。360°撮影が8K 60fps(前機種OSMO 360は50fps)にアップグレードされてさらになめらかな映像が撮れるようになったほか、ダイナミックレンジ(映像の明暗の広さ)も1ストップ上がって14.5ストップに向上したことで明暗差の激しい環境でも明るいところが白飛びせず、暗いところも黒つぶれしにくくなりました。
ちなみに、"1ストップ"分ダイナミックレンジが向上したわけですが、1ストップ向上すると捉えられる光の量は2倍になりますので、炎天下や太陽の逆光などの撮影や色編集をするときなどでも美しい色調・階調を残したまま映像を制作することが可能になります。
また、夜景撮影モードの「Super Night」が"2.0"にバージョンアップし、フレームレートも60fpsが可能になりました(前機種OSMO 360は最大30fps)。夜景のような暗い環境では、デジタルカメラは電子的に画面を明るくするので映像を明るくすればするほどザラザラとしたノイズが多くなります。
Super Night 2.0は、新しいAIノイズリダクションアルゴリズムにより、これまで以上にノイズの少ない美しい夜景映像をなめらかな60フレームで撮影ができるようになっています。
| 項目 | OSMO 360 II | OSMO 360 | A社360° カメラ |
|---|---|---|---|
| 寸法(長さ×幅×高さ) | 61×36.3×81mm | 61×36.3×83mm | 50×40×100mm |
| 重さ | 183g | 183g | 196g |
| 動作時間 | 8K 30fps100分 | 8K 30fps100分 | 8K 30fps 140分 |
| カメラセンサー | 2つの1/1.1インチ スクエアCMOSセンサー | 2つの1/1.1インチ スクエアCMOSセンサー | 2つの1/1.1インチ スクエアCMOSセンサー |
| 動画撮影(パノラマ) | 最大8K 60fps | 最大8K 50fps | 最大8K 50fps |
| 動画撮影(夜景撮影モード) | 8K 60fps(Super Night 2.0) | 8K 30fps(Super Night) | 8K 30fps(PureVideo) |
| カラーパフォーマンス | ノーマル10bit&D-Log M | ノーマル10bit&D-Log M | ノーマル、Dolby Vision、I-Log |
| ダイナミックレンジ | 14.5ストップ | 13.5ストップ | 14.5ストップ |
| 写真解像度(パノラマ) | 120MP(16K) | 120MP(16K) | 120MP(16K) |
| 使用可能な内蔵ストレージ | 105GB | 105GB | 47GB |
| 伝送方法 | USB 3.1&WiFi 6.0 | USB 3.1&WiFi 6.0 | USB 3.1&WiFi 6.0 |
| 防水性 | 10m(防水ケースなし)、50m(防水ケース使用時) | 10m(防水ケースなし) | 20m(防水ケースなし)、60m(防水ケース使用時) |
| バッテリー容量 | 2150 mAh | 1950mAh | 2600mAh |
OSMO 360 II サンプル映像
では、実際の映像も使いながらスペックを検証していきたいと思います。14.5ストップのダイナミックレンジとはどれほどのものなのでしょうか? 検証のために、35℃を超える炎天下の中、木漏れ日がキレイな公園を歩きながら撮影してみました。薄暗い林の中も、逆光となる木漏れ日も、葉の隙間から見える青空もキレイに捉えられていますね。
OSMO 360 IIは、カラーパフォーマンスが「ノーマル10bit」と「D-Log M」があります。ともに10bit(10億7,334万色)収録できるというとてつもない色深度を持っているのですが、D-Log MはさらにLog収録というダイナミックレンジが広い撮影ができます。
ただ、撮影したままのデータは通常の映像と違ってグレーがかった色になっているので、編集ソフトで色を戻してあげる必要があるのでひと手間かかってしまうのですが、色の階調はとても滑らかでひと手間をかける以上の価値があります。撮影時はぜひD-Log Mの設定を忘れないようにしましょう。
DJI MimoやDJI StudioなどのDJI純正編集ソフトならボタンクリック一つで色を戻すことができます。もちろん、グレーがかった色から自分好みの色に表現(カラーグレーディング)しても破綻しにくいデータを提供します。
《D-Log Mで収録した映像データ》

D-Log Mで収録したデータはそのままではグレーがかった淡い色になっているが、色編集やDJI StudioやDJI Mimoに備えられた色を戻す設定を当てれば通常撮影時以上のダイナミックレンジの映像となる
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例えば、下記の映像は薄暗い樹木の下から炎天下の空の下に出ていくシーンを、ノーマル10bitに設定した映像とD-Log Mで設定した映像を比較したものです。
見れば一目瞭然、ノーマル10bitもじゅうぶんに美しいのですが、明るいところに出た瞬間に空の明るいところが白飛びしてしまっています。D-Log Mは色が破綻することなく、鮮やかに捉えていますね。これくらいの色調・階調表現の差が出てくるのです。
OSMO 360 IIの魅力は、昼間の明暗差が激しい環境から夜の暗い環境まで全ての時間に全ての出来事を撮影できることです。特に夜景撮影では、Super Night 2.0による美しい夜景映像を撮影することができます。今回は手持ち花火をする機会がありましたので、通常収録と比較しながらSuperNight 2.0で撮影してみました。
《通常収録とSuperNight 2.0で収録した映像データの比較》

OSMO 360 IIを中心に置いてそのまわりで手持ち花火を持ち撮影。SuperNight 2.0で撮影したものは色補正なし、D-Log MはDJI Studioの「カラー復元」でワンクリック設定したのみで手動で色補正はしていない
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結果は見ての通り、通常収録はD-Log Mで撮影しましたが、悪くはないものの、少しのっぺりとした印象。花火の光によって明るいところはなめらかな階調で描写されていますが、背景は全般的に暗くなっています。
一方、SuperNight 2.0で撮影した映像は、花火で照らされたところから周辺の暗いところまでのメリハリがあり、背景の僅かな光(映像の後ろで手持ち花火をしている家族)までも美しく描写しており、奥行き感のレベルが違います。
まさに"全て"を撮ってあとから編集できるDJI OSMO 360 II
OSMO 360 IIのような360°全景撮影カメラは、全てを撮ってからあとで編集して自在に映像を作成できるのが特徴です。OSMO 360 IIは、夜景も含めた全ての時間、水中も含めたすべての場所、そしてすべての景色を超高画質に撮影して自在にあとから編集できる360°全景カメラでした。
自身のアクティビティを撮影したい人はもちろん、家族の思い出を撮影したい人や記録動画を撮りたい人など、さまざまな用途にも対応できるカメラです。ぜひ一度手にとってそのスゴさを体験してみてください。