OSMO Mobileシリーズから1年ぶりの新製品となる「DJI OM 4」発売
DJIからOSMO Mobile 3が発売されて約1年。ジンバル撮影の認知度はより一層高まり、他社からも同じような撮影用ジンバル製品が多数発売されている。DJIからもOSMOシリーズのカメラ一体型のPocketやスマートフォンをカメラとするMobileをはじめ、プロユースにはRoninシリーズと、多岐にわたって製品を発売している。今回はそんな中でOSMO Mobileシリーズから新製品「DJI OM 4(以下:OM 4)」が1年ぶりに発売された。
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OSMO Mobile 3(以下、OM 3)からの変更点で大きなところは、ボディーカラーの変更と、スマートフォンフォルダーの廃止だ。ボディーカラーはOM 3の深みのあるダークグレーから、かなり明るいアテネグレーへと変更されている。これはOM 3とOM 4の差別化のためかと思われる。
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「磁気スマートフォンクランプ」でスマホに挟み込んで装着
特に一番大きな変更点と言えるのが「スマートフォンフォルダー」の廃止だ。新しく強力なマグネットを使用し、OM 4にスマートフォンを装着するデザインを採用している。そして装着する方法も2つあり、1つは「磁気スマートフォンクランプ」での装着、もう1つは付属の専用「リングフォルダー」での装着だ。
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OM 4で新規採用された強力なマグネットを使用したこの仕組みは、今までのジンバル本体と一体化したフォルダーにスマートフォンを装着するストレスを、大いに緩和するものになっている。
まずは「磁気スマートフォンクランプ」だが、クランプの軸となる円形のマグネット部があり、その軸からスマートフォンを挟み込むためのバネ式のアームが対向して備え付けられている。
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スマートフォンに装着するには、片方のアームをスマートフォンの片側の長辺に引っ掛けて、もう片方のアームを引っ張りながら挟み込むように装着。この時、装着する方向があり、スマートフォンを縦にした時にカメラのレンズが上にあるようにした状態が、OM 4に装着した時の右側であり上側になる。
「磁気スマートフォンクランプ」のアームにも注意マークがあるので、間違わないようにそのマークに従って装着すると、OM 4自体のアームで撮影が阻害されることはない。また、クランプとOM 4の吸着部にはガイドとなる溝がつけられているので、装着時には磁石の極性もあり、ずれた状態で吸着されることは多くないが、もしずれている場合にも吸着部にある白い点で合わせることもできる。
ただし、スマートフォンとクランプを装着する時には、できるだけスマートフォンの真ん中で重心の取れた所に装着することと、クランプのアーム自体もスマートフォンと平行になるように装着すると、大きな負荷がかからずに撮影が行える。
「リングフォルダー」でワンタッチ装着
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専用の「リングフォルダー」で装着する場合は、本当の意味で装着のストレスから解放される。クランプと同じように強力なマグネットを備え、OM 4のアームを使用状態に起こしてそのまま装着できるので、クランプで装着する時よりも2アクションは動作と時間を軽減できるだろう。
スマートフォンにリングフォルダーを装着する場合、付属の装着ガイドシートを使い、適切な場所に装着すると良いだろう。くれぐれも重心を外した場所にリングフォルダーを装着したり、クランプも著しく重心からずれた場所に装着した場合、スマホの画面上に適切な設置場所にするようにとの警告が表示されるので、警告が表示された場合には速やかに設置場所を適切に直す必要があるが、やはり「リングフォルダー」の利点は大きい。
装着時に別にクランプを持ち歩く必要がないことや、スマートフォンの電源/画面ロックキーがクランプのアームで隠れてしまい、電源を入れたりロックを解除するためにずらして操作しなければならないこともあるので、専用で使う場合には「リングフォルダー」を強く勧めたい。
ボディ形状はOM 3からOM 4への大幅な変更はなし
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使用感としてはOM 3からOM 4でボディ形状の変更やボタン位置の変更などは見られない。ただ、かなりの大きさを占めていた「スマートフォンフォルダー」がなくなった効果は大きいと思われる。例えば収納に関して、大きめのサイドポケットであれば障害なく収める事が可能で、取り出す場合も引っかかる要素がなくなりスムーズに取り出して使用できる。
また軽量化も図れたことで、片手での長時間使用も疲れにくく、取り回しも向上されている。そして軽量化されただけでなく、ジンバルで使用しているモーターも強化され、今まで以上にスムーズな動きを実現し、スマートフォンにアクセサリーを装着しての撮影などでも、余裕をもった動作が望めるとのことだ。
ボディー形状やボタン位置に関して変更がなく、OM 3ユーザーにとっては使い慣れた感覚でそのまま操作できるのも利点だ。
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ジョイスティック、ズームスライダー、トリガー、その他のボタンもOM 3から踏襲といった感じで、それぞれのボタンでも動作も大きな変更はないようだが、統括アプリケーションであるDJI Mimoでの大きな機能更新などがあれば、それに伴った変更などがあるだろう。
特にDJI Mimoの更新は頻繁に行われているので、高機能なスマートフォンに合わせて付加される機能なども出てくるかも知れない思うと楽しみでもある。カメラとしてのスマートフォンに依存した商品であることは間違いないが、だからこそスマートフォンを交換すれば違う味の映像が撮影できることも利点であることは間違いない。ただ、スマートフォンで映像を撮影するということは、スマートフォン自体の発熱などに悩まされることが多く、その辺の解決策もDJIに考えてもらえるともっと裾野が広がるかとも思う。
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その他の新機能として、「ペンライトモード」や「ローアングル撮影能力の向上」などがあるようだが、貸与されていた期間中に試すことができなかったのでここではこの程度でとどめることにする。私見としてジョイスティックやズームスライダーでのコントロールがリニアになりがちで、微妙なコントロールも片手で行うのはかなり難しい印象を筆者は得ている。この辺のコントロールは「慣れ」が一番効果的だとは思うが、アプリで緩やかなカーブの様にコントロールできると、非常に意欲的になれると思う。
OM 4でよりハイクオリティなスマートフォン撮影をサポート
OSMO Mobileシリーズはどうしてもスマートフォンに依存する傾向が拭い去れないが、その分汎用性は高いといえる。機能向上もファームウェアだけでなく、アプリでの高機能化やSNSとの連携強化などの自由度もかなり高い商品といえる。現在、タイム/ハイパーラプスやスローモーション(ハイスピード)、パノラマなどの様々な撮影が行え、それに付随して様々な見せ方、視聴方法も増えている。
そんな中でネットワークとの親和性の高いスマートフォンを装着して使うことで、もっとSNSやYouTubeなどで披露する映像がハイクオリティに、印象的に変わっていく可能性をもたらすことができる、OM 4はそんな商品だと思う。