空飛ぶクルマは日本でもロードマップが取りまとめられつつあり、パッセンジャードローンやドフライング・タクシーの実用化が目前にまで近付いている。CES2019でもパッセンジャードローン関連の出展はかなり増えているが、大手航空機メーカーのBell Helicopterが昨年よりさらに巨大なブースをノースホールに出展し、プロトタイプ機「BELL Nexus」を披露して大きな話題を集めていた。
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「Nexus」はビルの屋上や専用ポートから垂直離着陸できるハイブリッドのeVTOLで、4人乗りにパイロット(ドライバー)を加えた5名が搭乗できる。最高時速は約150マイル(約241km)で飛行距離も同じく150マイル。展示されていた機体は写真からもわかるように直径8フィート(約2.4m)の巨大な6つのローターが付いており、そのいずれかが万が一故障してもバックアップできるシステムになっている。ローター部分がゆっくり動くデモは同社が開発するオスプレイを彷彿とさせ、いかにも実用化が近付いていることをアピールしていた。
ローターだけでもかなりの大きさがある。
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米軍にオスプレイを納入する同社ならではの迫力あるデモが披露された
予約はアプリからオンデマンドででき、最寄りのステーションから目的地まで最短距離で移動できる方法を提示する。飛行中はフロントにARで経路や建物の情報などが表示され、観光タクシーとしての利用も視野に入れていることが伺える。パッセンジャードローン全体のサービス開始に必要な新しい航空管制の仕組みを整えるためのデータ収集しており、快適で安全に空を移動するための総合的なシステムを開発するため様々な会社とパートナー連携し、2020年代の半ばには具体的なビジョンの公開を目指している。
昨年はコクピットの展示だけだったが今年は機体全体を公開
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興味深いのはフライングタクシーを自動飛行は可能だが、パイロットを同乗する方法を選択していること。会場ではパイロットの体験ができるデモも設置されており、乗るだけでなく飛ぶ楽しさも提案しようとしているようだ
さらにもう一つ、会場では昨年10月に発表されたヤマト運輸と共同開発中のポッド(外装式輸送容器)を搭載したAPT(Autonomous Pod Transport:自律運航型ポッド輸送機)のプロトタイプも展示されていた。
ヤマトがこれまで培ってきた物流業務ノウハウを活かして機体の設計から開発、運用まで行い、2019年8月までに飛行デモンストレーションの実施を予定している。
開発途中のAPTは翼に黒ネコのロゴが入っている