高齢化に伴う買い物困難者の増加や共働き子育て世帯の時間不足、ドライバー不足などに伴うラストワンマイル配送の課題などを背景に、多様化する配送ニーズへの対応の重要性が高まっている。こうした中、持続可能な地域配送を実現する新たな配送手段として、ドローン配送への期待が高まっているという。
同提携では、Wingの世界で実績のある自律飛行型ドローン、運航システム、および自動地上インフラと、KDDIおよびKSDが有する通信基盤や制度対応・社会実装の知見を融合する。日用品、食品、市販薬、小口の小売商品を迅速かつ安全、持続可能な形で届けるドローン配送の実現に向け、3社で基盤構築に取り組むとしている。
まずは2027年中に一部エリアで、ローソン商品を含む食料品や日用品などの配送開始を目指す。その後、自治体や地域パートナーと連携しながら配送品や展開エリアの拡大を図る。
3社は、同提携を通じてドローン配送の社会実装を推進する。地域の利便性向上や災害時の配送手段の確保などを通じて社会課題の解決に取り組み、持続可能な地域社会の実現に貢献していくとしている。

ドローン配送が解決する社会課題と提供価値
日本において、ドローン配送は地域生活を支える新たな配送手段として、さまざまな社会課題の解決に貢献することが期待されているという。買い物困難者への支援や生活者の利便性向上に加え、将来的には物流の効率化なども見据え、以下の価値提供を目指す。
買い物アクセス向上と移動負担軽減
店舗の撤退や高齢化により、日常の買い物が困難な「食料品アクセス困難人口」は全国で約904万人に上っているという。また、高齢者は運転事故リスクと移動手段確保の課題を抱えている。ドローン配送により、自宅にいながら食品や日用品を受け取れる環境を整備することで、買い物や移動負担を軽減するとともに、移動に伴うリスクの軽減に貢献する。
時間不足の解消とQoL向上
共働き世帯を中心に、仕事・家事・育児に追われ、日常の買い物に充てる時間が不足する「時間貧困」が深刻化している。ドローン配送により、買い物に伴う移動時間や拘束時間を短縮し、家族との時間や余暇時間の創出を通じてQoLの向上に貢献する。
物流効率化と再配達削減
小口多頻度化や再配達の増加に加え、「物流の2024年問題」に伴うドライバー不足により、物流事業者の負担は年々高まっている。ドローン配送により、注文者が指定した場所へ直接商品を届けることで再配達を削減し、配送効率の向上と物流事業者の負担軽減を目指す。

各社の強みと協業による効果
Wingの商用運航実績と高度な自動配送システムに、KDDIグループの通信基盤や国内での事業展開力を組み合わせ、安心・安全かつ高効率なドローン配送サービスの実現を目指す。
Wingの世界トップクラスの商用運航実績と自動配送システム
2012年にGoogleの研究所から誕生したAlphabet傘下の企業であるWingは、住宅への配達完了件数が100万件を超えるドローン配送企業だ。AlphabetとGoogleの研究開発を基盤に、Wingは世界最大級の多数機運航を実現し、複数の国や地域にまたがる最大の住宅向けドローン配送ネットワークを構築している。
米国においては、ドローン配送を日常の物流ネットワークに統合する先駆的な取り組みを推進しており、現在米国の5つの市場で毎日数千件の配達を行っている。先進的な自律飛行制御技術と安全システムを活用することで、Wingは顧客の庭や指定された場所へ、注文から通常30分以内に安全かつ正確に商品を届けるオンデマンド配送サービスを提供する。
KDDIグループの高品質通信基盤と社会実装知見
KDDIとKSDは、上空のモバイル通信ネットワークを活用した安全な目視外飛行の支援や、ドローンに関する制度対応、自治体との協業、多様な事業者とのパートナーシップを通じて、ドローン配送の実用化に取り組んできた。例えば、全国へのドローンポートの配備を進めており、遠隔運航による災害時の状況把握を実施するなど、地域の課題解決に向けた、高度なドローン活用の社会実装を進めている。
また、地域におけるドローン配送の実証や実装にも数多く取り組んできた。同提携においても、これまでの知見や、パートナーシップの構築を通して、ドローン配送の社会実装を推進する。