大型ダンプトラックに水素エンジンを搭載するのは世界初の試みだ。実証実験を通じて、水素エンジンの活用に向けた知見の蓄積を進め、未来の”水素建機”の開発に繋げるという。
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コマツは従来より、カーボンニュートラルの実現に向けて新たな動力源の開発や活用を進めている。水素エンジンについても選択肢の一つとして注目する中、大型トラック向けの水素エンジン開発や導入を専門とする、独スタートアップ企業KEYOU GmbH(以下、KEYOU社)の技術力に着目した。
今回のコンセプトマシンにはコマツとKEYOU社が共同開発した水素エンジンと水素タンクシステムを搭載している。水素タンクは運転席横のプラットフォーム上に搭載し、水素搭載量の最大化を実現した。
また、運転席横の視界性を確保するため、キャブ内外にカメラやモニターを新たに設置している。実証実験では、走行性能や連続稼働時間、燃費などのデータ収集と、高圧水素ガスの使用に際する安全確保策を確認する。
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水素エンジンを建設機械に搭載する場合、バッテリーや水素燃料電池と異なり、ディーゼルエンジン車のコンポーネントの多くをそのまま活用できるため、コストを抑えられるメリットがある。
また車両から排出されるCO2を実質ゼロにできるため、鉱山の現場からカーボンニュートラル実現に向けた動力源の選択肢の一つとして導入を希望する声も寄せられている。安全管理や水素供給のためのインフラ整備などの課題もありますが、業界団体や関係者と連携して解決を図っていくという。
コマツは中期経営計画において、2030年までに、製品使用により排出されるCO2の50%削減(対2010年比)、生産によるCO2排出の50%削減(対2010年比)という経営目標とともに、2050年にカーボンニュートラルを実現することをチャレンジ目標としている。
これまで、ハイブリッド油圧ショベルや有線式電動油圧ショベル、および、バッテリー搭載の中小型電動ショベルの市場導入を実現している。
さらに、カーボンニュートラル燃料への対応、バッテリー搭載建機への給電システムの開発、水素燃料電池搭載ショベルの実証実験、パワーアグノスティック対応の超大型ダンプトラックの開発など、あらゆる方面から環境対応の技術開発に取り組んでいる。
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コマツは引き続きカーボンニュートラルの実現に向けて、自社での技術開発とともに、オープンイノベーションの推進やパートナーシップを通じて、多様な環境対応ニーズに応えていくという。