今まで作業員の手で行っていた高所作業における超音波厚さ測定をドローンで行うことで、足場仮設や高所作業車などの金額コストを下げるだけでなく、作業員の落下事故などのリスクも減らせるという。
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製品概要
DroneMATは、市販の産業用ドローンに搭載することができるため、新たに超音波厚さ測定用ドローンを開発する必要がない。ペイロード1kgでUSB-Cの電源供給が可能なドローンであれば、DroneMATを装着するだけですぐに高所における超音波厚さ測定作業が可能だ。取得した厚さ測定値は無線によりAndroidタブレットへリアルタイムでA-Scanの波形とともに転送される。
技術概要
電磁超音波厚さ計EMATは、金属母体に非接触で振動を与えているため、圧電素子UTのようにカプラントや表面処理などは必要ない。このEMATと通信モジュールを組み合わせ、Androidタブレットの専用アプリからEMATデバイスへ測定指示及び測定値の転送などを行う。
通信距離については現在のところ200m程度まで確認が取れているため、ほとんどのプラント設備やインフラ点検にDroneMATを用いることが可能だ。
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3つの特長
- 1:接触媒質(カプラント)不要・最大3㎜までのスルーコート測定が可能
非接触で振動を与えることができるため、カプラントが不要。カプラント用タンクやカプラントを測定面に供給するディスペンサー機構なども不要だ。また、金属母材を直接振動させているため、表面の塗膜や金属腐食箇所でもスルーコート測定が可能。 - 2:探触子の傾斜角度25度まで測定可能
凹凸の激しい箇所や曲面などでは測定面に垂直に探触子を当てることが難しい。更にはドローンの操作も加わるため、垂直に当てることを困難だが、EMATであれば垂直から傾斜25度までであれば測定が可能だ。凹凸の激しい箇所や配管なども測定しやすくなる。 - 3:僅かな時間でで操縦習得可能
前述より、測定が安定しているため経験が浅いパイロットでも15分程度で操縦を習得できる。また、専用アプリもシンプルであり、測定はAndroidタブレットの【ON】【SAVE】【OFF】の3つのボタンを順番に押すだけで、測定からデータ保存できる。
1分で2~3ポイントのデータ取得が可能。DJI Matrice 300 RTKのペイロードとバッテリー動作時間を考慮しても40分程度動作するため、1フライトで80~120ポイントのデータを取得できる。
今後の展望
現在は仮設足場や高所作業車、ロープアクセスなどで人が高所で超音波厚さ測定作業を行っているが、DroneMATを使うことで短時間・低コスト・低リスクで非破壊検査が可能だ。DJI Matrice 300 RTKがあればすぐに取り付けて高所のUT作業ができる。