同技術実証事業では、現状、人が広大な自然環境に立ち入って実施している自然物等の実地調査について、ドローンを活用した情報収集に加え、AI等によるデータ解析技術を活用し、リスク評価や環境影響評価の支援や精緻化を可能とすることによる効率化・高度化の実現に向け、実際にデジタル技術の活用による代替が可能であるかを検証するとしている。
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実証について
ドローンやトレイルカメラによる情報取得手段、それらを繋ぐ4G LTEやStarlinkの通信ネットワーク基盤、AI等によるデータ解析技術を活用し、実地調査の効率化・高度化に向けた5つの実証を実施する。
同技術実証事業基本的指針として、社会・産業のデジタル化を阻むアナログ規制に活用可能な技術について、安全性・実効性等の実証を通じてアナログ規制の見直しを支援することを目指すとしている。
実証の内容
- A.Starlinkを活用したニホンジカやヒグマ等の生息状況調査:
吉野熊野国立公園と知床国立公園において、トレイルカメラやStarlink、検知AIシステムを活用し、ニホンジカやヒグマ等の生育状況調査の高度化、省力化の可能性を評価する - B.ドローンや人流データ等を活用した国立公園の土地利用、風景・景観、利用状況等の情報取得:
吉野熊野国立公園等において、視認等で確認していた利用者数・属性カウントや公園内の巡視業務について、au人口動態データ、ポート付きドローン、カメラ+AIを用いて、効率化・高度化の可能性を評価する - C.ドローンの遠隔操作による動植物の個体群、群集又は群落の生息・生育状態の情報取得:
厚岸霧多布昆布森国定公園、瀬戸内海国立公園、崎山湾・網取湾自然環境保全地域において、4G LTE経由で遠隔監視が可能なスマートドローンや着水が可能なドローン、マルチスペクトルカメラ搭載ドローン等を活用し、水鳥の渡来数カウントや、海浜植物や海草の生育状況の調査について、効率化・高度化の可能性を評価する - D.実施項目B、Cで取得した情報を基にした状況変化の自動検出:
実証項目B,Cで取得したそれぞれ複数回のデータ同士を比較し、適切な方法で変化を可視化する - E.ドローンを活用した大分県特別保護樹林の指定、保全のための調査業務:
大分県の特別保護樹林を対象に森林内部と森林上空の二パターンをドローンで撮影することで、特別保護樹林の指定等の際に必要な、樹木の胸高直径や高さ、樹林面積等の計測について効率化・高度化の可能性を評価する