Parrotは、「Bebop」の新型「Bebop 2 Power」を発売した。この新型モデルは改良されたハードウェアやソフトウェアを用いており、30分という驚くべき飛行時間を可能にした。
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Parrot「Bebop 2」とは
ドローン業界において、Parrotの最新ドローンは長く間待ち望まれていた。旧型の「Bebop 2」は2015年の冬に発売。クワッドコプター人気に続き息をひそめて待っていた。DJIは「Phantom」を作り「Mavic Pro」を発売し、小型の「Spark」を製造した。ではBebop 2 Powerは、そうしたドローン需要を次第に満たしていったライバルたちに、どうしたら立ち向かうことができるのか?
最も注目するのは、驚異的な30分という飛行時間とそのコスパ。今のところ、ParrotのWebサイトから599ドル(約6万円)で購入可能。値段に見合った価値があるかどうか、すぐに分かるはずだ。
Bebop 2 Powerは、多くの人から愛されていたものの制限が多かったBebop 2の発売から、時間を経て発表された。Parrotはパイロットすべてにとって魅力的なテクノロジーと機能を備えた丸みを帯びたドローンを作るのに精力を注いだ。
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重さ1.15ポンド(525g)のBebop 2 Powerは、最上級の商用ドローンに匹敵する30分という飛行時間を超え、2つのバッテリーを積んでいるため、1時間飛び続けることが可能だとしている。さらに手振れ補正や新しい飛行モードの範囲拡大、手のひらで行える離陸、一人称視点(FPV)システムつき、新しいスカイコントローラー、マットブラックの仕上げがアップグレードされた。またこのドローンはParrotのFreeFlight Proアプリで直接飛ばすこともできる。
カメラ
Bebop 2 Powerの課題はカメラだ。とはいえ、このカメラには14メガピクセル、1/2.3インチのCMOSセンサーが取り付けられており30fps(フレーム数)でフルHD画像の撮影が可能。JPEGやAdobe DNG RAWの画像は、撮影後に修正可能なほか、明るく鮮明な空中の映像を撮るために、カスタマイズの広角レンズや最先端の歪みも補正可能だ。
Parrotが特許取得した3軸デジタルスタビリゼーション技術により、振動やエイリアシング効果を減らせるとしている。4Kビデオではないことを残念がる人もいるだろうが、それでもビデオ画像は素晴らしい。
コンピュータ支援飛行モードと安定化システムを用いて、プロのような写真が撮れる
空の旅が簡単になるように設計された飛行モードがある。
■カメラマン:プロがサポートしてくれるように、このモードはビデオや写真が簡単に撮れる。スマートフォンのスクリーンをダブルタップし、焦点を合わせたりスライドさせたりすることでフレームに被写体を収める。この備え付け人工知能(AI)の効果によりドローンの飛行操縦に集中でき、Bebop 2 Powerが写真を撮ってくれる。例え被写体が動いていても、フレームの中で同じ位置にしっかりと映る。
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■魔法のセルカドローン:画像認識やスマートフォンのGPSの位置を用いて、Bebop 2 Powerにおける4つの自動動作を使った、究極の「ドローンセルカ(自撮り)」ができる。OrbitやTornado、Parabola(パラボラ)、Boomerang(ブーメラン)のモードによって画像効果を持たせ、いつでもフレームの中心に収まることが可能。
■GPSとビジュアルトラッキング(視覚追跡)で追跡:Parrot Bebop 2 Powerに組み込まれた視覚追跡機能によって、様々な冒険の思い出を残し、激しいスポーツをしているときでも被写体はビデオの真ん中に居続けられる。
■自動シャッター:洗練された写真機能やカメラのエフェクト機能によって景色を捉えることができる(360やReveal、EpicやRise presetsなど)。
手のひらから離陸
DJIのSparkと同じくBebop 2 Powerは、手のひらから飛ばすことが可能。下向きに向かい合ったセンサーが、ドローンが地上にいるのか手の上にいるのか判断する。Bebop 2 Powerを手の上に持ち、アプリやParrot Skycontroller 2の離陸ボタンを押すとプロペラがゆっくり動き出す。そしてParrot Bebop 2 Powerを前方に放り投げることでプロペラが加速し、ドローンが安定して宙に浮く。
Bebop Power 2と空飛ぶ一人称視点(FPV)
ParrotはBebop 2 Powerによってほとんどの必要な機能を満たした。また、Parrotの新しい「Cockpitglasses 2」も同じく満たしている。ほとんどのスマートフォンと互換可能で、広角の96°の景色の中心に自分が映る。
FPVゴーグルは、さまざまな操縦モードと組み合わせることが可能で、そのモードは離陸前に選べる。その中にはドローンの電力を節約し、FPVドローンのレースに理想的な「スポーツ」モードも搭載しており、Bebop 2 Powerは最速で時速40マイル(時速65km)で飛行可能。
安全機能:「Bebop 2 Power」の課題は?
新型「Bebop」に障害物回避機能を求めていたParrotファンにとっては、残念ながらその機能は含まれていない。代わりに、Parrotはドローンの後ろについた青い点滅灯で安全を確保するとともに、変更可能なジオフェンスシステムつきで、スムーズな帰還が可能となった。また、アプリには「FindMyDrone」設定があり、前回のGPS位置の履歴が残っているため同じ飛行を繰り返すことができる。
まとめ
Parrotの新型ドローンは、599ドル(約6万円)という素晴らしい値段で、消費者市場へ確実な進出を遂げた。Bebop 2 Powerはオプションで追加料金のかたちをとっているため、このコスパが実現できている。予備のバッテリーやParrotの「SkyController 2」、FPVセットはそれぞれDJIに数100ドル支払う必要がある。こうした付属品は、飛行時間においても他のドローンでやりたいどんなことにおいても、パイロットの自由が広がる。
Bebop 2 Powerが、「Mavic Pro」や「Phantom 4」「Phantom 4 Pro」と競おうとしているわけでないことは明らかだ。むしろエントリーモデル寄りにいる。おそらくSparkのターゲット市場でもある、ドローン好きな人たちに向けたものだ。しかし興味深いことに、商用パイロットにも人気を集めている。結局、すでに旧型「Bebop 2」や商用パイロットに向けた「Disco」を超えた。
また、できるだけ長時間空中に留まり仕事を成し遂げられるよう、頑丈なものを求めている人にとって、おそらくこの新型ドローンは旧型に代わるドローンとなっている。既存のDJIのジオフェンスシステムにより、着陸時に独自のジオフェンスを選べるのは大きな助けになる。
Bebop 2 Powerのスピードを含め、特にDJIのSparkやMavic Proに比べてどうなのか、近いうちに感想や評判を得られることを期待したい。落ちるときにその機能が試される。