ニュージーランドで技術革新の商業化を支援する政府機関、キャラハンイノベーションは、UAV(無人航空機:ドローン)の産業を活性化させることを目的の1つとして、映画撮影に特化したドローン開発企画のコンテスト「C-Prize」を開始した。ニュージーランドが最先端技術の開発で世界的リーダーとしての位置を高めたい意向だ。
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ビクトリア大学(ニュージーランド、ウェリントン)で先月、C-Prizeの発表が行われた
アバターのジェームズ・キャメロン監督やプロデューサーのジョン・ランドー氏は、本コンテストから映画製作現場で役立つドローンが生まれることに高い期待と関心を持っている。キャメロン監督は「ドローンをカメラのプラットフォームとして愛用し始めている。今後の開発で安定性や静音性が向上すれば、より広範に世界レベルのショットに用いられるだろう」と語っている。
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ニュージーランドでは、テレビ番組の撮影でクレーンやドリーの代用として、そしてトラベル番組など主にテレビ番組の収録現場で使われており、撮影用ドローンが映画産業で注目されてきたのは最近のことだ。まだ新しい分野であり、悪天候に耐えられ、よい特殊効果を生成できるように小さく動きの早い対象物でも追跡飛行ができるといった、映画製作現場でのニーズを反映させて改良しなければならない技術的課題がある。しかし、映画製作者にとってドローンは大掛かりなヘリでの空撮よりも費用は掛からず、また運用も簡単で魅力的なものであることは違いない。
本コンテストの参加受付は5月24日まで。最終選考に残った6案は7月24日にWebサイトで公開される。受賞者の発表は11月。受賞者には、商品化に向けて50万ドルの賞金が与えられ、またNAB2016において、NZ UAV technologyのパビリオンで対象ドローンを展示するための費用が提供される。コンテストのエントリーには、チームに16歳以上でニュージーランド居住者が2人以上いることが条件となっている。またコンテストのスポンサー企業および組織も参加可能となっているが賞品、賞金を受け取ることは許可されていない。
キャラハンイノベーションは、ニュージーランド貿易経済促進庁、経済開発機関、ビジネスインキュベータ、大学、ポリテクニック、クラウン研究機関、ベンチャーキャピタルコミュニティや業界団体と協業し、企業にイノベーション・システムの提案、実行を促している。
(山下香欧)