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コラム小林啓倫

カナダ国防省による都市部でのドローン検知実験[小林啓倫のドローン最前線] Vol.96

カナダ国防省の狙い

2025年12月4日
小林啓倫のドローン最前線

カナダ国防省が今年11月下旬、異例の実証実験を行った。演習場ではない、首都オタワのど真ん中での話だ。オタワの国会議事堂周辺で行われたこの実験は、高層ビルが林立する「都市の谷間」や電波ノイズの中で、侵入してきた敵国のドローン(ここでは特に商用サイズの小型UAV)を正確に捉えられるかを検証することを目的としていた。

実験の名前は「CUAS Sandbox (Urban)」。CUASは「Counter-Unmanned Aircraft Systems」の略で、「無人航空機対策システム」の意味だ。カナダ国防省の「IDEaS(Innovation for Defence Excellence and Security:防衛力の卓越性と安全保障のためのイノベーション)」プログラムの一環として、2025年11月24日から28日にかけてオタワ中心部で実施された。

この実験が行われた背景には、ドローンの入手しやすさ、低価格化、および能力の急速な増加が、カナダの安全保障に対して重大なリスクをもたらしているという認識がある。

かつてのドローン対策は、「開けた空の下で遠くから飛来する機体を早期に発見すること」が基本だった。それはドローンが、見晴らしの良い戦場で使用されていたためである。しかし最新の戦術では、あえてビルが密集する都市部(アーバン・キャニオン)でドローンが使用されるようになっている。高層ビルが死角となり、街中に飛び交うWi-Fiなどの電波が「迷彩」となって、ドローンの通信波を隠してしまうためだ。

従来の軍事用レーダーは、こうした複雑な環境が苦手であり、ドローンによる攻撃を見逃してしまう恐れがある。さらにドローンの可視性を減らしたり、無線の放出を最小限に抑えたりすることで、既存のCUAS能力を回避する(つまり無人航空機対策システムに検知されない)研究も進められている。

敵はもはや上空からではなく、ビルの陰から忍び寄ってくる——この戦術の変化に対し、シミュレーションではなく「本物の都市のノイズと死角」の中でないと、防御技術が本当に使えるかどうかを証明できない段階に来ているというわけだ。

これまでカナダ国防省は、CUAS試験をアルバータ州の開かれた軍事演習場で行っていた。しかし上記の認識に基づき、都市環境においてCUAS技術の性能を評価することが重要な課題だと判断。そこで2025年のCUASサンドボックス試験では、複雑な都市環境で探知技術がどれほどうまく機能するかを評価する目的で、初めて現実的な都市環境すなわちオタワ中心部を使用して実施されたというわけである。

カナダ国防省による都市部でのドローン検知実験[小林啓倫のドローン最前線] Vol.96
カナダ国防省による実験内容(筆者がNotebookLMで生成)

テストされた2つのシナリオ

試験は安全確保と都市インフラ保護の観点から「探知のみ」に厳しく限定され、ドローンを無力化する対抗措置は一切許可されなかった。試験には16社が参加し、国防省だけでなくカナダ政府、RCMP(王立カナダ騎馬警察)、オタワ市、さらには米国の国防総省など多様な機関との連携のもと、主に2つの防衛シナリオを検証した。

具体的には、様々な高さのオフィスビルが立ち並ぶ4×4地区の試験エリアにおいて、地上階、低層・高層バルコニー、屋上の4種類の配置場所にシステムが展開された。検出対象は重量2kg未満のマイクロUASおよび2~15kgのミニUASで、いずれも最高時速200kmで飛行可能なものであり、照明条件の変化による影響を見るため昼夜双方でテストが行われた。

シナリオの1つは「エリア防衛」(広域監視)で、国会議事堂や官庁街全体など、広範な地理的エリアへの不正侵入を監視・検知するテストとなった。分散配置された複数のセンサーをネットワーク化することで、死角を補い合う「面」の防衛網を構築。個々のセンサーが捉えた断片的な情報を統合し、ビル群の裏側へ回り込んだ機体を見失わずに追跡し続ける「追尾の継続性」と、エリア全域の状況を俯瞰して把握する能力が重点的に評価された。

もう1つのシナリオである「ポイント防衛」(要点・要人警護)では、特定の重要人物や単一の重要施設など、ピンポイントな対象を奇襲から守る能力が検証された。攻撃側のドローンは遠くから飛来するのではなく、対象のすぐ近くの路地や隣のビルの屋上から突如出現する。防衛側には距離的・時間的な猶予がほとんどない。そのため、わずか数秒で脅威を識別する「即応性」と、周囲の一般市民や車両と区別して正確にターゲットを特定する「精密さ」が求められた。また移動する要人車列を想定し、車載センサー等で絶えず変化する都市の死角に対応できるかも検証された。

実験の結果、事前の想定通り、都市特有の激しい電波ノイズや高層ビルの死角が、従来の検知システムにとって極めて大きな障壁となることが確認された。一方で、異なる種類のセンサーを立体的に配置・統合することで、単独では捕捉困難な「隠密侵入」に対抗し得ることも確認された。この成果は、今後の都市防衛システムの設計や、軍と警察の連携プロトコル策定に直接活用されるという。

戦場と日常の境界が消失しつつある今、ドローン対策は新たなフェーズに突入した。オタワの空で実施された試験が投げかけた課題と成果は、カナダ一国の問題にとどまらず、重要インフラを抱える世界中の都市が直面する「見えない脅威」への処方箋となるはずだ。

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masuko 2025年12月4日
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