エバーブルーテクノロジーズ株式会社は、小型ヨットやボート、既存の船外機を自動操船化するユニット「eb-NAVIGATOR2.0」を展示した。
eb-NAVIGATOR2.0は、無人操船ヨット(帆船型ドローン)で実証実験を重ねたノウハウを集約し、遠隔から自動操船するコントローラーと通信部分をユニット化した製品となる。
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風速・風向・障害物センサーを一体化し、防水ケースと組み合わせた全天候型制御ユニットで、ラダー、推進器、セールウインチの制御信号を出力する。制御信号を変換し、電動モーターを動かすことでディンギーヨット、船外機や小型ボートといった動力船まで簡単に自動操船化できる。
したがって、小型のボートや船による水上パトロールや運搬、輸送、移動手段なども、人件費や燃油代などのコストをかけずに運用することが可能になる。
eb-NAVIGATOR2.0を、湖や公園の池で使わなくなった小型ボートに装着し、観光客がアプリを使って簡単に操縦する「水上Uber」として活用するシーンも想定しているという。
まさにサステナブルな社会にマッチするツールといえる。
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新型帆船型ドローン「AST-231」
オーストラリア発の小型ヨット「Hansa」を無人で自動航行させられる新型帆船型ドローン「AST-231」も展示。高さのある大きな白い帆が、非常に衆目を集めていた。元々「Hansa」は「誰でも乗れるように」とのコンセプトで製作されたヨットで、モノハル(単胴船)のため復元力が安定しており、転覆しにくい安全なヨットとして人気がある。
Hansaを自動化した「AST−231」は、風速10m以上でも航行でき、風力のみで推進するため、10時間の連続航行ができる。
最大積載量は120kgなので、物資運搬はもちろん、調査器具を載せて海洋調査にも使用できる。人なら2名まで乗れるという。操作はスマホアプリ「eb-CONNECT」の自動操船機能を使って、目的地をセットするだけで非常に簡単。
これに前述のeb-NAVIGATOR2.0を適用することで自動化された「AST-231」は、水上・水中の調査、人や物資の輸送・輸送、水上警護など多目的に活用できる。
救助用水上ドローン「AST-181」
もうひとつ、水難救助に役立つ水上ドローン「AST-181」も展示されていた。
AST-181は、牽引・曳航用大型ラジコンボート「E-towing」に、eb-NAVIGATOR2.0を装着した水上ドローン。
「E-towing」は水上レジャーのほか、海難救助の目的で作られた。これに自動航行させられるeb-NAVIGATOR2.0やを組み合わせることで、海上の要救護者の元へ、陸上や遠隔地の監視者がeb-CONNECTの自動操船機能を使用して、AST-181が救命用のいかだや浮き輪を牽引して自動的に駆けつけられるようになる。
E-towingは、万が一船体が転覆しても瞬時に自動的に起き上がる仕様になっているそうで、導入されれば救助現場において心強いツールになるだろう。