XPONENTIAL 2021開催初日、オープニングはSkydioの映像で始まった。複雑な構造物の検査やSkydio2、X2でのモデル取得映像などがメインに構成されており、アメリカ製を強調する形の映像であった。
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その後AUVSI会長ブライアン・ワインの挨拶があり、初日のキーノートセッションがスタート。
ブライアンは、以下のようにコメントした。
今年は今日から始まるバーチャルと8月のアトランタでエクスポネンシャルが開催されます。エクスポネンシャルは無人機の展示会としては世界最大で業界の最新情報が集まる展示会です。
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昨年はとても挑戦に満ちた年でしたが、しかしそれはまたとても生産的な年でもあったと思います。無人機は、医薬品のデリバリーやスタジアムの消毒作業などで大活躍しました。今後ますます重要な役割を果たすことになる無人機ですが、それには次の3つが大事と考えています。
- 安全の確保のためのユーザーコミュニティとの関係強化
- 政府との共同歩調
- インダストリー・コヒージョン(一致団結した業界)
まず一つ目は、安全の確保のためのユーザーコミュニティとの関係強化です。ユーザーが普段行っている安全確認・履行手段が世論からの信頼を作り上げるので、ユーザーコミュニティと一緒になって無人機の安全を作り上げなければなりません。
そして、政府との共同歩調です。実社会で無人機が活躍するためには様々なフレームワークが必要です。例えば、今年から始まったFAAによるリモートID制度、人の上飛ぶ(FOP:Fly Over People)の許可要件設定など、今年は大きな進歩がありました。
最後にインダストリー・コヒージョン(一致団結した業界)です。技術革新が進めば進むほど、業界一丸となって問題に立ち向かっていかなければいけません。
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次に登壇した米国運輸省(DOT)、副次官補兼最高科学責任者のロバート・ハンプシャー博士は、バイデン大統領の新政権下でDOTの今後の優先事項と、その中での無人システムの位置づけについて語っていた。
ハンプシャー博士は、次のようにコメントした。
2020年末以降、ドローンを使って配送や検査を行う企業が急増しています。そして今年リモートIDなどの制定は、拡大するドローンの使用を安全に管理するための重要な第一歩であり、「UASの新たな可能性と用途を切り開く」「大きなゲームチェンジャー」です。
安全はDOTの第一の目標です。投資の優先順位が時間とともに変化することはあっても、安全性はDOTの最優先事項であることに変わりはありません。自律性が保証された未来に到達するために、無人システム業界はこれらのシステムを安全かつシームレスに統合することを優先しなければなりません。
DOTが無人システム業界と協力して安全な統合をサポートする方法のひとつとして、高度自動化システム安全センター・オブ・エクセレンスがあり、標準化されたテスト手法のハイブリッドプラットフォームを提供しています。
このセンターでは、自社の知的財産を保護しながら他社と協力し、工学的な仮説を検証し、プロトタイプをテストすることで、自社のシステムが実世界で相互運用可能であるという確信を得ることができます。
その次に登壇したのは、世界中の労働環境に関してのプロフェッショナルであるPwC社のピーター・ブラウン(Peter Brown)だ。
世界19各国で3万人を超える労働者に対して実施された「テクノロジーが与える働き方に関する希望と不安」をもとに、会社はどのように従業員と向き合うべきかを語っていた。
調査では、50%の人は新しい技術にワクワクしているが、35%の人は不安を覚え、15%の人はその不安な未来予想から目を背けているという結果が出ているという。
ピーターは、会社経営者に対し、3つのことを推奨している。
- 変化に関する事象をコミュニケーションを大事にして語ること
- 労働者の技術向上に投資し、彼らが生き延び成長するように促す
- 会社の信用性を高め、透明性を持って事業計画と意思決定を行うこと
また調査では、75%の労働者がお金を稼ぐだけが目的でなく、社会に貢献している会社で働きたいと考えているとの結果が出ているようだ。
最後はSkydio社のアダム・ブライが登壇しキーノートを締めくくった。
Skydioは、今回のキーノートセッションの他、大きなリリースの発表があった。その内容は別記事になっているので、そちらも確認して欲しい。
昨年は、コロナの影響で様々なものが無人化となり、コンタクトレスの商習慣が人々の中に浸透した一年となった。今後そこで培われた機能や仕組みがドローン業界の成長をより一層高めて早めることとなるだろう。8月のアトランタではどれくらいの企業が実際にブースを構え、来場者がどのように増減するのか不明だが、開催の暁にはぜひ会場に足を運んで業界の熱を感じたいと思えるキーノートだった。