航空宇宙技術をコアとしたテクノロジーカンパニー、株式会社スペースエンターテインメントラボラトリーが展示したのは、なんと機体全体をまるごと水で洗い流すことができる「飛行艇ドローン」だ。同社はNTTドコモが米国グアム島に設置した5G技術検証環境「ドコモ5Gオープンラボ」の通信エリア品質調査ソリューションの実証実験で機体を提供するなど、海外での活動実績も豊富。「海外と比べて日本では、固定翼機を飛ばせる場所が少ない」と、ブルーオーシャンの水上離着陸機「飛行艇ドローン」の開発をいち早く手がけている。
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今回は、2020年度中に製品版リリースを予定しているという、飛行艇ドローンの試作機を展示していた。これは実際に、試験飛行を繰り返している機体だそうで「傷だらけなんですが」というコメントが印象的だった。
1~2秒で離陸でき、GPSを用いた自動航行で、現在の航続時間は1.5時間程度とのこと。製品販売時には2時間を目指すという。素材はCFRPを使い軽量化を図った。河川や湖、海、農業用のため池など水上で離着陸できるため、水産業や海洋調査、深浅調査といった幅広い用途が期待される。
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機体の向きは前方に2つ装備したプロペラで変える
特に水産業において、マグロやカツオなどの高付加価値魚類の魚群探知としての活用は、実際にニーズが高いそうだ。ドローンでは航続時間がネックだったが、固定翼ならではの長距離滑空なら実用可能性が高まるためだ。機体についた砂埃や海水などを水で洗い流せる点は、洋上という過酷な環境での運用に最適。分解すれば軽トラックで運べるサイズになるという。