AIZAWA Aerospatiale(以下:アイザワ)が展示したハイブリッド電力搭載システムドローンは、エンジンで発電してモーターを駆動する用途特化型の大型機体だ。もともと、インフラ点検とその後工程となる補修剤の吹きかけまでを自動で行うことを目指し、米MIT系テックベンチャーTop Flight Technologies社と共同開発された。
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ハイオクガソリンと2ストオイルの混合油を燃料とする水平対向2気筒2ストロークエンジンで発電し、常にバッテリー残量をチェックしながら軽量バッテリーに蓄電し電力供給することで飛行する。
特長は、「燃料が満タンの状態で、10kgのペイロードを搭載し約1時間飛行できる」という点。しかし強みはこれだけではない。バッテリー交換や充電の必要がないため、給油すればまたすぐに飛び立てる「作業の連続性」こそ最大の強みだそう。
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給油は、燃料タンクを機体から取り外すことなくキャップを開ければすぐに補充可能。将来的には、点検・補修のミッションに加え給油も全自動で行いたいとのことで、自動給油装置も開発中。そのコンセプトがこちらの模型だ。
機体が着陸すると、ポートごと内部にスライド移動し、給油してまた飛び立つという構想だ。燃料タンクキャップは自動開閉式を開発したいと意気込む。
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用途が極めて明確だが、それもそのはず。アイザワの社名は「會澤高圧コンクリート」。コンクリート材料の3Dプリンティングや、微生物の力でクラック(ひび割れ)を修復する自己治癒コンクリートなど、さまざまな先進的取り組みを行っている。ドローンを活用した点検から補修までのインフラ管理を一気通貫で行えるような機体が市場になかったため、自社開発に踏み切ったのだ。
現状の機体では、吹き付けなどの作業はまだ行えないが、同社の構想に賛同する声は多く、具体的には田んぼ横のコンクリート製水路の水漏れ対策として導入を検討したいとのニーズも上がっているそうだ。