成熟したカテゴリーだからこそ新風が吹く
CESの中で最も原石を見るけるのであれば、サンズエキスポのEureke Park(エウレカパーク)は外せない。かつては、ホテルのボールルームで開催されていたものだが、CESがテクノロジーにフォーカスしたこともあり、スタートアップの登竜門として年々規模を拡大し、ついには展示会場ワンフロアを占めるようになった。
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ここで注目を浴び、次年時はメイン会場へ規模を拡大する出展社も多い。ドローン関連のスタートアップが過去最多と思えるぐらい数多く出展されていた。これまでは飛行すること自体が主な目的だったが、今年は大手に並ぶ開発力とアイデアが目立ち、ドローン市場そのものが盛況であることを伺わせていた。ここでは会場で目に付いたドローンを紹介していきたい。
宅配 |物流はドローンにおまかせ
■UAVLAS
UAVLASは全天候型宅配ドローンを出展
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昨年末頃から本格的なサービス開始のニュースが世界各地から聞かれる宅配ドローン。ワルシャワやポーランドなど複数の地域で研究開発を行っているUAVLASは、GPSを使わず正確な飛行ができる全天候型の宅配専用マルチコプターを出展していた。仕組みは独自に開発されたデバイスを使って着陸地点へと誘導できるシステムで、誤差は最小で2cm以内にもできるとある。暗い中でもコントロールできることを強調していた。
独自の誘導システムで夜も正確な飛行ができる
■DeLive
医療向けドローンのDeLiveは正確で安全な飛行がポイント
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米ノートルダム大学のDeLiveは文字通り命に関わる救命物資を運ぶためのドローンを開発している。アメリカでは医療や救急に関わる宅配ドローンは比較的許可が下りやすく、すでに複数のサービスが稼働している。DeLiveも来月には実証実験を始めるがほぼ実サービスに近いもので、今後はビジネスとしての展開を進めると話していた。
■Valeo
LAVV Spaceが開発するオンデマンド宅配ドローン「Kiwibot」
地上走行ドローンもこれから需要が期待できる市場で、フランスのValeoが完全自律で地上走行する「Valeo eDeliver4U」を発表するなど大手企業も参入を進めている。シリコンバレーで有望な専門技術を持つスタートアップを支援する場として運営されているRAVV Spaceからは、開発プラットフォームとなる地上走行ドローン「Kiwibot」が出展された。見た目はカリフォルニアですでにサービスインしているタイプと同じだが、指定した住所であればどこでもオンデマンドで運んでくれるシステムを搭載しているのが特徴だ。
メディアデイで公開されたValeoの「Valeo eDeliver4U」
有線・セルタワー
■TeleLift | SPOOKY ACTION
空飛ぶセルタワー「TeleLift」は最長で6週間連続飛行が可能
米ミネアポリスに拠点があるSPOOKY ACTIONが開発する「TeleLift」はドローンベースのセルタワーで、空に飛ばすことで広範囲にネットワークを提供するように設計されている。高度は100~400フィート(30~120メートル)までの間を保つことができ、最長6週間の連続飛行が可能だ。長時間安定して飛行できる独自のテザーシステムSuperFlyを搭載しており、イベントの期間中飛ばし続けるといったニーズに対応できそうだ。
農業
■TIGER DRONE | HG ROBOTICS
マレーシア製の「TIGER DRONE」
マレーシアのロボット愛好家5人が立ち上げたHG ROBOTICSは、農作業を行う「TIGER DRONE」をはじめ様々なドローンを開発している。実機はなかったが水平に伸びたアームに2つのプロペラを搭載し、広範囲を探索できるVTOL「BAT」も開発しており、マルチスペクトラムによる測量システムもあわせて開発している。
インドア
■LYBOTIX
スイスブースで出展していた「FLYBOTIX」
ドローンバレーがあるスイスのスタートアップが出展していた「FLYBOTIX」は、衝突防止機能を備えたインドア点検用ドローンを出展。同じくスイスで開発されているELIOSと似ているが、飛行時間は2倍で、ノイズを抑えているという。