日本を代表するドローンメーカーの1つがACSL(自律制御システム研究所)。同社では産業用プラットフォーム(ドローン)「PF1」をベースに、建物・インフラ点検用「PF1-Vision」、物流・宅配用「PF1-Delivery」、軽量・測量用「PF1-Survey」など、さまざまな業種・用途向けの機体とソリューションをリリースしている。昨年の国際ドローン展ではこうしたソリューションに加えて開発中のドローンを展示していたが、今回の出展ではこのPF1をベースにした、製品としてリリースしているドローンを発表していた。
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これまで6ローターのPF1をベースにさまざまな業種向けのソリューションを提供してきたACSLだが、今回は流量観測用に二重反転の12ローター機「PF1W」を初公開。この機体は昨春に測量会社タイプエスとの共同開発の成果「DFF(Drone Flow type-Fushi)」として披露した機体の製品版で、PF1をベースにローターを二重反転としたのが最大の特徴だ。この機体は川の流量を観測するためのドローンで、機体の下に「浮子(ふし)」と呼ばれる浮きを搭載し、川に落として浮子の流れ方で流量を測定するというもの。
流量観測は川の流れが激しい時こそ必要で、その場合、流される浮子を引っ張り上げる力が必要となるため、よりペイロードを稼げる二重反転としたという。特にこのDP1Wの胴体部分は従来のPF1そのままなので機体が軽く、その分ペイロードが稼げるのが特徴だ。
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昨年リリースした「PF1-Vision」は、ビジュアルSLAMにより非GPS下で飛行できるドローンだが、今回はそれを小型化し、屋内やトンネル内など狭い空間を自律飛行させられる小型の機体として「PF1-mini」を公開。制御系はACSLのプラットフォーム戦略に基づく形でPF1と共通となっており、ステレオカメラと下向き単眼カメラ、NVIDIA Jetson TX2モジュールといった構成要素は同じだ。そのためPF1のカウリング内に収まっていたものを、機体下部に収納する形となっている。
黒で統一されたブース内で、赤い機体がひときわ目を引いていたのが、水道インフラ管理・コンサルティング企業NJSと2015年から共同開発している、下水道の中を飛行するドローン「AS400」だ。口径400mmの水道管を対象としており、その中を高速で飛行しながら映像を撮影しながら点検を行う。極めて狭い閉鎖空間でドローンを飛行させると乱気流が起きて制御が難しいところを、制御技術により安定した飛行を実現している。