Japan Drone 2017最終日となった25日は土曜日。事実上ビジネスデーであった23日、24日に対して、25日は週末ということもあって家族連れの来場者が数多く見受けられた。そのため25日には「小学生向け春休み!ドローンスクール/体験会」や「ドローンレース@Japan Drone 2017」といった、コンシューマー向けのイベントが開催された。中でも会場奥に設けられた20m四方のフライトケージで開催されたドローンレースは、常にケージの周りに人だかりができていた。
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日本を代表するドローンレース運営団体のひとつ、Drone Impact challenge実行委員会が主催する「Drone Impact challenge 2017」として開かれたドローンレースは、目視飛行のレギュラークラスと、FPVによる飛行を行うマスタークラスの2クラスが開催された。コースは20m四方のケージの中を周回する形で、2ヵ所に約1.5m×1mの5連ゲートが設けられた、シンプルながらも難易度の高い設定。ここを周回する形でタイムを競い、タイム順で上位の参加者が、セミファイナル(準決勝)、ファイナル(決勝)へと進んでいく。
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ドローンレースの会場としては決して広くないフライトケージではあるが、その中をレーシングドローンが目にもとまらぬ速さでフライトする様を見た来場者からは、そのスピードに驚きの歓声が何度も沸いていた。特に日本のトップドローンパイロットがガチンコで着順を競うマスタークラスのファイナルレースは、息を呑むハイレベルな戦いに。その結果、この春高校を卒業したばかりの高梨智樹選手が、安定した飛行でファイナルを制した。
今回のドローンレースは、参加したパイロットによると、ゲートが一般的なドローンレースで使われるものより狭く、ここをくぐるのにかなり苦戦したという。予選では規定の飛行時間を飛びきる機体が極めて少なく、観客にとってはやや物足りない時間となったかもしれない。
また、FPVレースでは機体のカメラからの映像伝送に5.7GHz帯のアマチュア無線を利用しているが、ここに会場内の電波が混信して映像が見られないというトラブルが頻発して、イベントの進行が何度も止まってしまった。ドローンの展示会という電波が飛び交う場所でのレース開催だけに、しっかりとした電波環境の監視は今後の課題として検討されるべきことだろう。
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ドローンレースの合間にはドローンの体験会も行われるなど、ドローン業界としては今の顧客だけでなく、“将来のドローンパイロット”へのアピールの場にもなったJapan Drone 2017最終日。レーシングドローンが飛び交う光景を目に焼き付けた子どもの中から、多くのドローンパイロットが誕生することに期待したい。
マスタークラスを制した高梨智樹選手(中央)と、準優勝の音田哲男選手(左)、3位の横田淳選手(右)
目視飛行よるレギュラークラスの入賞者。優勝は川田原靖選手(中央)で、成澤彰浩選手(右)と井上まさゆき選手(左)は同着の準優勝となった