聖地巡礼、ドローンといえば深圳
世界中ドローンの聖地と言えば中国深圳である。昨年DJI本社を訪問した時よりもさらにドローンの熱は高まり、予想以上のスピードで進化している。伝え聞く所に寄ると聖地新鮮ではドラスティックに街が変わりつつあると言う。その震源地を実際に確かめるべく我々編集部は聖地深圳を再度弾丸スケジュールで訪問する事にした。今回は数回に分けて深圳で起こりつつあるドローンの今を切り取って行きたいと思う。
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露天にトイドローンが並び、子供までもがドローンを嗜む街”深圳”
昨年より幾度かに渡ってお伝えして来たセルフィードローン。期待されていたLilyもまだ発売されずユーザーが落胆する声も多い。改正航空法の対象外となる200g未満の高性能コンパクトセルフィー(自撮り)ドローン。もし今手に入るのであれば、ドローンファンなら気になるはずだろう。旅先でのドローンによるセルフィーも非常に楽しいものだ。昨年の改正航空法施行で200g以上のドローンの飛行に規制がかかり、少しばかり飛ばしにく状況になってきた。かと言って、これまでの200g未満のドローンでは安定性やカメラの画質に満足が行かず、もっと手軽に高画質なドローンセルフィーをできないものかとずっと思っていた…。
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DOBBYがいよいよ空を飛ぶ!
先日、「DRONE」でも紹介したZERO TECHの「DOBBY」はそんな希望を叶える小型高性能セルフィードローンだ。クラウドファンディングで約10,000人の出資を集めたこのドローンはまさに先出の機能を全て実装している。ビジョンの提示だけで話がたち消えるドローンが多い中、実際のところ「DOBBY」はどうなのか、実際に中国深セン市にあるZERO TECHのオフィスまで行って同社の文 副総経理に直接話を伺ってきた。
ZERO TECH 文 副経理
ZERO TECHは産業用ドローンとして有名な企業だ。2007年創業の若い会社だが、現在ではインテルと提携して農業や警備用等さまざまな産業用ドローンを開発し、高い評価を受けている。DOBBYはその9年間積み重ねた産業用ドローンの技術をスマホサイズのコンパクトボディに詰め込んだものだ。実際にDobbyに使われているのはIntelのSnapDragonだ。
現在、中国でもセルフィーをソーシャルメディアでシェアする「自分メディア」が流行している。DOBBYのポジショニングはこの「自分メディア」を作成するためのツールだ。撮影したものを自動的にwechat(中国版のLINEのようなアプリ)にアップするなど、自動的に「連結」する機能を重視しているという。
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本体はiPhone6sとほぼ同等のサイズとなる
気になる主な機能は下記のとおり。
アームを折りたためばポケットにすっぽり入る
スペック的には申し分ない。実際のフライトはどうなのだろうか?オフィス内でデモフライトをしてもらったところ、動きはParrot社のBebop Drone2に近い非常に安定したフライトだ。室内であれば、コントローラーとなるスマホから手を離してもずっとその場でホバリングをしている。外でフライトさせても多少の風ならば問題なくホバリングできるそうだ。そして、スマホはFPVできるようになっており、画面を見ながらシャッターボタンを押せば、セルフィーも完了。これだけ手軽なセルフィードローンであれば誰もが欲しいはずだ。
安定したホバリングでその場から動かない
またデモ中に興味を引いたのは、音声認識機能。DOBBYを手のひらに乗せて「DOBBY、チーフェイ(飛べ)!」とスマホに話しかけると、DOBBYが見事に飛び立った。発売段階では中国語と英語が用意されているそうだ。機体はプロトタイプということで、たまに音声を認識ができなかったが、きちんと実装できれば非常に便利な機能だ。逆に、残念なところはバッテリーが9分程度しかもたないところか。このあたりはモバイルバッテリーから充電できるような仕組みを考えているとのことで期待したい。
中国国内での発売は7月末、オンラインと実店舗で販売し、初回数十万台の出荷を目指す。気になる海外での販売は8月以降とのこと。日本での販売代理店はまだ決まっていないらしく、どこが取り扱うのか非常に注目だ。
プロペラを収納した状態
前
背面
後