背景
近年、自然災害が頻発化・激甚化しており、その度に大量の災害廃棄物が発生している。発災後、各自治体は被災状況に応じた「災害廃棄物処理実行計画」を作成するため、発生した災害廃棄物の種類と量を迅速に把握する必要がありますが、この把握には多くの時間と労力がかかっている。
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そのため、リモートセンシングをはじめとしたICT技術等の活用により、災害廃棄物の種類と量を容易かつ正確に推計する手法の開発が望まれているという。
実験概要・結果
今回の実験は、令和6年能登半島地震の災害廃棄物仮置場にて実施した(写真-1)。
災害廃棄物の種類の推定については、可視光線の波長領域外(900〜1,700nm)を撮像する「ハイパースペクトルカメラ」(以下、HSC)を用いて画像解析することで、様々なものが入り混じった災害廃棄物を種類別に分類できることを確認した(写真-2、撮影場所:輪島市第一仮置場)。
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一般的なカメラは、入射光を光の三原色である赤、緑、青の3つの波長帯に分解し、その重ね合わせによって可視光情報を表現するが、HSCは、より広範囲な波長領域を多くの波長帯で分解することができるので(図-1)、一般的なカメラで撮影した画像からは判別できない材質の違い等を見分けることが可能だ。
また、災害廃棄物の量の推定については、スマートフォンのカメラ(LiDARセンサー搭載のiPhoneとGNSS位置情報の組み合わせ)を用いて地上で撮影した画像およびドローンで空撮した画像から点群データを取得し3次元化することで、体積が算出できることを確認した(写真-3、写真-4.撮影場所:珠洲市ジャンボリー会場跡地災害廃棄物仮置場)。
今後の展望
来るべき自然災害の発生に備え、平常時のうちから災害時に効果を発揮する仕組みを作ることが大切だ。今後も、災害廃棄物の処理に関する研究開発を続けることで、再資源化率および処理品質のさらなる向上を目指すとしている。