打上げ概要
JAXAは、2024年度にH3ロケット5号機(以下:H3·F5)により、準天頂衛星6号機(QZS-6)の打上げを行う。H3·F5により、準天頂衛星6号機(QZS-6)を所定の軌道に投入する。
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ロケット機種 | H3ロケット5号機(H3・F5) 1機 1 ※LE-9エンジン2基、固体ロケットブースタ(SRB-3)2本、ショートフェアリングの機体形態 |
ペイロード | 準天頂衛星6号機(QZS-6) 1機 |
打上げ予定日(日本標準時) | 2025年2月1日(土) |
打上げ予定時間帯(日本標準時) | 17:30~19:30 |
打上げ予備期間 | 2025年2月2日(日)~2025年3月31日(月) |
打上げ場所 | 種子島宇宙センター 大型ロケット発射場 |
海面落下時間帯(打上げ後) |
・固体ロケットブースタ 約5分~9分後 ・衛星フェアリング 約12分~24分後 ・第1段 約16分~32分後 |
※打上げ時刻・打上げ時間帯は打上げ2日前に決定する
打上げ計画
打上げの場所および関連施設
- 種子島宇宙センター:鹿児島県熊毛郡南種子町大字茎永
- 牧川追跡所:鹿児島県熊毛郡中種子町牧川字廣峯
- 内之浦宇宙空間観測所:鹿児島県肝属郡肝付町南方
- 小笠原追跡所:東京都小笠原村父島桑ノ木山
- クリスマスダウンレンジ局:キリバス共和国クリスマス島
- サンチャゴダウンレンジ局:チリ共和国サンチャゴ市
ロケットの飛行計画
ロケットは、打上げ後まもなく機体のピッチ面を方位角90°へ向けた後、所定の飛行計画に従って太平洋上を飛行する。
打上げ約1分56秒後に固体ロケットブースタを、約3分45秒後に衛星フェアリングを分離し、約5分00秒後には第1段主エンジンの燃焼を停止し、約5分8秒後に第1段を分離する。
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引き続いて、約5分21秒後に第2段エンジンの第1回目の燃焼が開始され、約12分50秒後に燃焼を停止、慣性飛行を続けた後、約24分19秒後に第2段エンジンの第2回目の燃焼が開始され、約28分44秒後に燃焼を停止した後、約29分4秒後に近地点高度約370km、遠地点高度約35586km、軌道傾斜角22°の静止遷移軌道上で準天頂衛星6号機(QZS-6)を分離する。
スペースデブリ発生防止対策として、ミッション終了後に第2段機体の近地点高度を下げ、25年以内に自然落下するよう軌道寿命の短縮を図る。
ロケットの飛行計画 | |||
---|---|---|---|
事象 | 打上後経過時間 時 分 秒 総経過 |
高度 km |
慣性速度 km/s |
(1)リフトオフ | 00 00 0 |
0 | 0.4 |
(2)SRB-3分離 | 01 56 116 |
43 | 1.5 |
(3)衛星フェアリング分離 | 03 45 225 |
123 | 3.3 |
(4)第1段エンジン燃焼停止(MECO) | 05 00 300 |
203 | 5.4 |
(5)第1段・第2段分離 | 05 08 308 |
213 | 5.4 |
(6)第2段エンジン第1回推力立上がり(SEL1) | 05 21 321 |
227 | 5.4 |
(7)第2段エンジン第1回燃焼停止(SECO1) | 12 50 770 |
451 | 7.5 |
(8)第2段エンジン第2回推力立上がり(SEL2) | 24 19 1459 |
401 | 7.6 |
(9)第2段エンジン第2回燃焼停止(SECO2) | 28 44 1724 |
384 | 10.1 |
(10)準天頂衛星6号機(QZS-6)分離 | 29 04 1744 |
394 | 10.1 |
ロケットの主要諸元
全段 | ||||
名称 | H3ロケット5号機 | |||
全長(m) | 約57 | |||
全備質量(t) | 約422(人工衛星の質量は含まず) | |||
誘導方式 | 慣性誘導方式 | |||
各段 | ||||
第1段(LE-9) | 固体ロケットブースタ(SRB-3) | 第2段(LE-5B-3) | 衛星フェアリング(ショート) | |
全長(m) | 約37 | 約15 | 約12 | 約10.4 |
外径(m) | 約5.2 | 約2.5 | 約5.2 | 約5.2 |
質量(t) | 約240 | 約152.4(2本分) | 約28 | 約1.8 |
推進薬質量(t) (最大値) |
224.5 | 134.4(2本分) | 24.6 | - |
推力※1(kN) | 約2942(2基分) | 約4600(2本分) | 約137 | - |
燃焼時間(s) | 約300 | 約110 | 約694 | - |
推進薬種類 | 液体水素/液体酸素 | コンポジット推進薬 | 液体水素/液体酸素 | - |
推進薬供給方式 | ターボポンプ | - | ターボポンプ | - |
姿勢制御方式 | ジンバル | - | ジンバル ガスジェット装置 |
- |
主要搭載電子装置 | 誘導制御系機器 | - | 誘導制御系機器 電波航法機器 テレメータ送信機 指令破壊装置 |
- |
準天頂衛星システムの概要
日本で常に天頂付近に1機の衛星が見えることを目的として、複数の軌道面にそれぞれ配置された衛星を組み合わせて利用する準天頂衛星システムである。
各軌道は、軌道傾斜角を持って地球の自転と同じ周期で地球を回っており、いずれかの衛星が常に天頂方向にあるため、山やビル等に影響されず全国をほぼ100%カバーする高精度の衛星測位サービスが可能となる。