近年、衛星画像解析の活用は、安全保障、都市計画、農業、環境モニタリングなど、多くの分野で広がっている。しかし、衛星画像は、季節による植生の変化や時間帯による影の影響などがあり、AIや衛星の専門知識がないと解析が難しいという課題があるという。
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さらに、衛星画像は1枚のデータサイズが数GB以上と大容量で、一般的なRGB(赤・緑・青)画像以外にも近赤外線など特殊な情報を含む多様な画像があり、画像処理を行ううえでの技術面や効率面での課題となっている。加えて、衛星画像のライセンスはプロバイダに帰属するものも多く、外部に解析を依頼する際には、さまざまな制約が生じるとしている。
リッジアイは、地図、道路、住宅、森林、固定資産、安全保障などのアセットを保有し、その管理や調査に課題を抱える官公庁や企業のニーズに応えるため、「課題を気にせず、衛星画像解析を気軽に試したい」という要望に応える形でRSIAを開発した。
「Ridge SAT Image Analyzer(RSIA)」の特長
- ユーザー自身でオリジナルモデル作成が可能:ユーザー自身で最先端モデルを用いた学習および、評価を行うことができる。この機能により、秘匿性の高いデータを用いたモデル作成、データの特性に合わせたユーザー自身での試行錯誤が可能になる。
- 直感的な操作性:ワンコマンドで解析を実行できるシンプルなインターフェースを採用。専門知識がなくても最先端のAIモデルを活用可能だ。具体的には、ユーザーの入力に応じて、RSIA内で最適な画像分割、衛星画像の前処理や後処理を選択し自動実行する。オリジナルモデルを作成したい場合にも、衛星画像とアノテーションを特定の場所に保管して、ワンコマンド入力するだけで作成できる。
- 柔軟な環境対応:コンテナ技術を用いて構築されているため、クラウド環境、オンプレミスのどちらでもAI解析が可能で、さまざまな導入ニーズに対応できる。セキュリティの厳しい環境下やライセンスの制約下、さらにスケーラビリティが求められる環境下でも、柔軟に対応することが可能だ。
- 幅広い衛星データ対応:通常の光学衛星画像だけでなく、近赤外線やSAR画像(Synthetic Aperture Radar)など、多様なデータ形式に対応。天候など異なる条件で撮影された画像間の一貫性を保つための自動前処理機能も搭載している。
- スケーラブルなシステム:Dockerベースの構築により、小規模から大規模な解析まで柔軟に対応。これにより、ユーザーのニーズの変化や、解析対象の拡大にも迅速に対応可能であり、システムへの連結も容易だ。
想定する利用シーン(例)
- 物体検出:ソーラーパネルや車両・船舶の検出を通じて、エネルギー政策立案や安全保障に貢献。
- 土地分類:都市部、農地、森林などの土地利用を自動分類し、都市計画や農業政策に応用。
- 変化検出:森林伐採や地図更新、農地異常検知など、環境保護や更新業務を効率化。
今後は、非画像データとの統合やAI言語モデル(LLM)との連携により、RSIAのさらなる進化も目指すという。
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たとえば、自然言語で「●年●日のシンガポール沖に船が何隻ある?」「東京都内の緑地面積の変化を過去5年分析して」など指示するだけで、必要なデータ取得から解析、結果出力までを自動で行う機能を開発中だ。また、リアルタイム解析への対応も計画しており、災害監視や環境変化の即時対応など新たな活用が期待されるとしている。