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Sierra SpaceとORNL、新型の再使用型宇宙船用熱防護システムを開発。商業宇宙飛行の可能性高まる

米国エネルギー省のオークリッジ国立研究所(以下:ORNL)とSierra Space社の研究者たちは、再使用型商用宇宙船向けの新しい炭化ケイ素ベースの熱防護システム(TPS)を開発した

2024年11月20日
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このTPSは、先進素材で構成されたタイルの表面と、断熱性のあるタイルの裏地で構成されており、宇宙機に取り付けることで、複数回の打ち上げや短期間での大気圏再突入時の極高温に耐えることができるという。

このTPS複合素材は、炭化ケイ素の高温および耐腐食性の特性と、炭素繊維の高強度および高温での安定性を組み合わせたものだ。この2つの素材を組み合わせることで、軽量で低プロファイルの複合熱バリアが生まれ、断熱保護と安定した飛行力学の両方を提供することが可能になる。

ORNLの主任研究員グレッグ・ラーセン氏は、次のようにコメントしている。

ラーセン氏:再使用性の観点から、一貫した外形を保つことが重要でした。

滑らかな外部表面を維持することが、設計通りに機体を飛行させるための鍵になるという。

ラーセン氏によると、新しいタイルの特性は、極高温への曝露によるサイズや形状の変化に耐えることで、複数回の飛行にわたって空力特性を維持するのに役立つという。また、TPS素材の軽量性は、商用ペイロード容量や機体内部の有効空間を最大化するのにも貢献する。

研究チームは、NASAのスペースシャトル計画で30年間培われた知見を活用して、この新しいTPSを開発した。1981年に初めて使用されたNASAのシャトル軌道船のTPSは、現在でも宇宙機の熱防護技術として最先端とされている。

この設計では、シャトル1機ごとに24,000枚以上のシリカ繊維製の熱バリアタイルが取り付けられており、それぞれが機体表面の特定の位置に正確に適合するようカスタムメイドされていた。タイルは、型に水と化学薬品を注ぎ、摂氏2,350度で焼結するという労働集約的なプロセスで形成され、個々のタイルは特殊な接着剤で軌道船の外皮に取り付けられていた。

ラーセン氏によれば、NASAの計画では年間約5回の打ち上げが行われていたが、現在の商業宇宙飛行はさらに速いペースで進んでいるという。

ラーセン氏:迅速な着陸から打ち上げまでのターンアラウンドタイムを達成する鍵は、TPSの再使用性にあります。私たちが研究している素材は、再使用性の限界を押し広げ、それが商業宇宙アクセスプロバイダーにとっての経済的な実現可能性に直接つながるでしょう。

ORNLとSierra Spaceは、このプロジェクトの第1段階となる素材開発を完了し、この新素材の特許を共同で出願した。第2段階では、断熱タイル裏地の製造プロセスを強化することに焦点を当てる予定だ。

Sierra Spaceは、新しいTPSを同社の「Dream Chaser」に使用する計画だ。この翼付き商用宇宙機は、乗員や貨物を低軌道に輸送するよう設計されている。同社は、この新しいTPSを使用して、NASAの商業補給サービス契約のもと、ISSとの間で重要な物資や科学実験を輸送する「DC100 Dream Chaser」に搭載する計画だ。

TPSの研究は、DOE(エネルギー省)の先進素材・製造技術室が支援するORNLの製造実証施設(MDF)で行われている。MDFは、米国の製造業を革新し、刺激し、変革を促進することを目指して、ORNLと協力する全国規模のコンソーシアムだ。

▶︎ORNL

▶︎Sierra Space

TAGGED: ORNL, Sierra Space, 宇宙, 宇宙旅行
watanabe 2024年11月20日
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