今まで一部の点検手法(大型橋梁点検作業車など)より経済性に優れたサービスを提供してきたが、今後は点検品質を落とすことなく、標準的な従来手法(ロープ高所作業や点検作業車などを用いた点検)と比較してもコスト面で優位性のあるドローン画像点検サービスを提供できるようになるという。
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リリースの背景
同社では「FLIGHTS CONTROL」のリリース当初から、計測から点検成果作成までを自動化することで、低コストと品質(精度)管理を両立するドローン画像点検ソリューションの提供に取り組んできた。
橋梁点検に特化したドローン自動飛行/静止撮影、画像の品質(精度)管理により、発注者(国・県)、建設コンサルタント、点検業者の皆様に、近接目視と同等の評価が可能である技術として、2022年のプロダクトリリースから直轄(国土交通省直轄)の大規模橋梁を中心に、累計250基を超える橋脚で採用されている。
しかし、国内に70万余もの橋あるなかの250基と、全体の橋梁数を鑑みると本技術は非常に限定的な利用に留まっている。これまでの本技術による点検効率では、画像取得効率及び取得後の作業効率が大半の従来手法(近接目視)に劣る場合がほとんどであり、ロープ高所作業により近接目視を行う部材、地盤や地形が悪くて高所作業車の進入が困難な条件など、近接目視コストの高い部材に利用が限定されていた。
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本アップデート機能の提供により、これまでコストを理由に「FLIGHTS CONTROL」が利用されなかった領域にも適用範囲を広げることができる。具体的には、コンクリート製の箱桁や床版桁、高さ5m以上のコンクリート製橋脚を対象とした高所作業車による近接目視点検などの領域に展開し、主要な点検技術としての地位を確立することを目指すとしている。
アップデート内容
これまで同社では、AIひびわれ検出精度が人の画像目視によるひびわれ検出精度に比較して劣るという技術的コンセンサスに基づき、AIひびわれ検出結果を人が照査することを前提としてきた。
そのため、AIひびわれ検出システムに対して高精細な画像を入力するとともに、人がひびわれ検出結果の照査を確実に行うことができるように、過去の研究論文/報告文などを参考にして膨大な試験を実施し、AI検出に必要な画像品質の仕様を定めてきた経緯があるという。
本仕様に基づき、プロダクトリリースから250基を超える適用実績を積んできたが、この度改めて「FLIGHTS CONTROL」の特徴である品質の管理された撮影データを用いて、AIひびわれ検出システムが実務として必要とする画素分解能の調査/検証した。 その結果AIひびわれ検出に必要な画像品質を再定義することで、以下のように製品自体をアップデートすることを実現した。
- ドローン画像取得の現場時間の効率化:従来に比較して一度に撮影できる面積が拡大されたことにより必要な画像撮影枚数が減り、その結果、従来に比較して最大2倍の外業効率を実現。
- 内業業務効率および、AI解析コストの圧縮:従来に比較して画像データ容量が減った分、画像データ処理の手間や負荷が減り、その結果、従来に比較して最大2倍の内業効率を実現。
今後も品質(精度)管理を実現しつつ、「ドローン画像点検の計測から成果作成までの一連の自動化」と「対象構造物の拡大」を目指し、研究開発およびシステム開発に取り組んでいくとしている。